期待マネジメント
アジャイル開発は「誰も正解がわからないからこそ、少しだけ早く作ることでそのヒントを得ていく」つまり、「わからなかったことをわかるようにする」そうしていきながら開発を進めていき、ユーザーが真にほしいものを届ける。というものです。
しかし、この「学び」が進み、期待が明確になることで生まれる問題があります。
もし、自分の家を建てようとしていて、図面や3Dなど計画段階ではわからなかったことが実際に建設中にわかったとします。
窓の位置や階段の設置場所など想定していたものより変えた方が良いとわかり、その要求を施工側にぶつけ、仮に押し通したところ「工期が3ヶ月延びる」と告げられ「そういうものだ。理解が足りない」と言われたとします。
しかし、すでに引っ越す段取りもつけており、必ず施工完了日を守ってもらわなくてはならないとしたら。「今さらそれはないだろう、なんとかしてくれ」と言いたくならないだろうか。
これは「期待マネジメント」の失敗であると言えます。
「期待マネジメント」とは顧客の期待の存在を捉え、共通認識にしていく活動を言い、その目的は上記のようなことを起こさないためにあると言えます。
「顧客」のために「サービス」があることが大前提なのですから、最終的に「顧客」を苦しめるようなことがあっては絶対にいけません。
僕らの場合は建設会社と違い作っているのは「Webサービス」です。自社開発なのでお金の出どころは自社の投資となります。期待しているのは社内の人たちかもしれません。
実際のユーザーからすれば必要なければ使わない。というだけの話かもしれませんが、ローンチに至るまでの間に多くの人に支えられていることも確かなはずです。彼らの期待に応えることもまた、期待マネジメントと言えると思います。