はじめての「あのお姉さん」のこと。
行きつけの喫茶店。
マスターではなく、ママがやっている、
はじめての田舎暮らしに息が詰まりそうになって、
はじめての社会人生活に胸が張り裂けそうな日々のたった1時間を癒してくれる喫茶店。
自分が可哀想だって思いたくて
ママにいつも話を聞いて欲しくて、
行くのに、
結局ママの入れたコーヒーと、
アップルパイで脳内がリセットされる感覚。
結局他愛無い話をして、
さっ、仕事に戻ろって
PCやらファイルやら入ったリュックが少し軽くなる場所。
転勤が決まりこの喫茶店にも来にくくなる。
そんな引越し前最終日。
朝から
「喫茶店に行く」とやることリストに書き加えて、
そのうちの用事をいくつか済ませて、
喫茶店に向かった。
いつものように、ブラジルを頼んで、
今日は冒険せずに好きだったチーズトーストを注文。
はぁー、ここにも来られなくなっちゃうなぁと
店内を眺めていたら、
「あのお姉さんに」
と一言聞こえた。
ん、バーでやるやつ?
ワインとか差し入れしちゃうやつ?
ん?私?
まじ?
はじめての、「あのお姉さんに」にギョッとしてしまった。
私はお世辞にも可愛いとは言えないし、
痩せても無いし、
それでいて今日は朝6時に出社したから、
メイクすらしていないし、、
後でママに聞いたら常連だったらしい、、
私はもうここには当分来られないけど、
今の私どんな気持ち?