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イギリス旅)ブリストル②鉄製吊り橋に鉄道に、産業革命が生んだ天才ブルネルを辿る

イングランド西部の街、ブリストルを訪れました。19世紀の「イーロン・マスク」と呼ばれる起業家、ブルネルが生み出した鉄製吊り橋や鉄道といった足跡を辿ることができました。


現存する世界最古の鉄製吊り橋「クリフトン」

ブリストルの街のシンボルとなっているのが、現存する最古の鉄製吊り橋「クリフトン・サスペンションブリッジ」です。この吊り橋を設計したのは、またもやブルネルです。

橋の下にの深い谷底にはエイボン川が流れ、荒れた山肌が見える断崖絶壁となっています。

橋の下の谷底にエイボン川が流れる

ここに鉄製の橋を渡して、両側の塔を伝って橋が吊られるように立っているのがわかります。

橋を吊っている鉄柱

このクリフトン・サスペンションブリッジは設計者のブルネルの死後の1864年に開通しましたがいまだに現役です。

ロンドン・ブリストル間の鉄道もブルネル!

ブルネルは鉄道建設にも携わりました。ロンドンとブリストルを結ぶグレート・ウェスタン鉄道(GWR)を設計したのもブルネルです。彼は資金を集めながら、自分自身でルートの全長を測量しました。

ロンドンのGWRの出発駅はくまのパディントンでしられるパディントン駅です。この駅舎もブルネルが設計しました。いまでもグレートウェスタン鉄道は、当時の路線をもとに走っていて、緑色の車両が市民の足となっています。

パディントン駅とグレートウエスタン鉄道

終点であるブリストルのブリストル・テンプル・ミーズ駅もブルネルの設計です。始発駅、終着駅の設計、ルートの測量に携わるブルネル、すごいです。

ブリストル・テンプル・ミーズ駅

前回の記事で、ブルネルは世界初の大西洋横断した鉄製の船、SSグレードブリテンを設計したと書きました。鉄道と船を乗り継げば、ロンドンからウェールズ、そしてウェールズからニューヨークまで、ひと繋がりで向かえることになります。ブルネルのロマンを感じます。

イギリスを代表する画家、ターナーの主題にも

イギリス・ロンドンのナショナルギャラリーには、イギリスを代表する画家であるターナーの絵が飾られています。「雨、蒸気、速度、グレートウェスタン鉄道」です。

ターナー「雨、蒸気、速度、グレートウェスタン鉄道」

このグレートウェスタン鉄道は、まさに紹介したブルネルによるものです。そしてこの機関車ははロンドンのテムズ川にかかあるメイデンヘッド鉄道橋を渡っています。この鉄道橋の設計もブルネルです。

ターナーは光の表現に特色のある風景画で知られますが、実は主題を同時代の出来事からとる歴史画を好んでいました。

まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの大英帝国、そのエンジンとなった産業革命を象徴する機関車。ブルネルがいたからこそターナーも生まれ、大英帝国としての文化も生まれたといっても過言ではないと思います。

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