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アメリカ往復日記 #4|シカゴ美術館で丸一日時間を溶かす

シカゴでの目覚め

8時30分ごろに目覚める。予報は変わらず、曇りときどき雨。30F前半。良く眠れた夜だった。

顔を洗い、身の回りを整理してから、9時過ぎに朝食を摂りに2階のカフェテリアへ向かう。ベーグル、マフィン、コーンフレーク、オレンジジュース、コーヒー、牛乳など。隣の部屋のテレビに映っているプレミアリーグの試合を覗きながら、お腹を満たす。

部屋に戻って荷物を整理した後、パソコンを抱えて、例のテレビがある部屋へ。引き続き、ナイアガラへの行き方を検索する。

11時前にチェックアウトを済ませ、ミシガンパーク方面へ走り出す。昨日は暗くてよく見えなかった噴水をカメラに収めた後、湖畔のランニングコースに沿って南へ向かい、シェド水族館、プラネタリウム方面へ。

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シカゴの摩天楼、ミシガン湖のパノラマ写真を撮影した後、本日のメイン、シカゴ美術館へ向かう。その道すがら、信号待ちでスケートリンクへの道のりを聞かれたが、昨日行ったおかげでドヤ顔で答えたりする。

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いよいよのシカゴ美術館

シカゴ美術館に到着すると、2頭のライオンの石像がお出迎え。昨日見かけた現代的な建築物もやっぱりシカゴ美術館だったんだ、伝統的なものと両極端な外装を併せ持っているのだなと思う。受付にて17ドルのチケットを購入し、最初に向かったのはAndo Gallery。

ここも含めてなんだけど、シカゴ美術館にはSomei Tomatsu とかMiyake Designとか、日本人の作品が特集として展示されている場所がいくつかあって、なんか変な言い方かもしれないけれども、日本の文化が正しく正当に評価されているなと言う印象を受けたことを覚えている。海外に限らず、国内も含めて美術館を観よう、というのは、この頃が最初と言ってもいいくらいの経験だったのだけど。笑

Art & Appetiteという企画では、アメリカの文化について、特に“食”という面からそれに関する絵を展示していた。(後日談:アンディ・ウォーホルのスープ缶の絵を観たのも、この展示のことだっただろうか。)シャガールとピカソのコーナーでは、ステンドグラスと彫像の展示。シカゴの街中ではいたるところ、特に大きなビルの前なんかにでかでかとした彫像が鎮座していて、これはいくつかのビルが特徴を出すために競って野外彫刻を制作したからだそうなのだけれど、それらのミニチュアモデルが並べられていた。

このうちの一つは、「無題」という名前らしくヒヒにも見えるものなのだけれど、これは昨日、雨の中で偶然発見したものだったし、また別の一つは赤の鉄骨が組まれた鶴のようなものなのだけれど、この日の夜、シカゴ駅まで歩く道のりの途中で見つけたものだったし、さらにまた別の一つは少し気持ち悪いしめじのようなもので、おそらく後日NYのSouth Manhattanで見つけたものだったと思う。

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そこを抜けると、モダンアートのコーナーへ。こちらのエリアが、昨日見かけたガラス張りの開放感のある空間だった。建物そのものも美しい。

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当時、美術館を巡りながら思ったことなのだが、画家は一枚の絵の中で表現をする。でも美術館は、建物の設計や絵の展示の仕方を含め、いかにその画家が描いた絵を見せるか、ということを検討する。そして、私たち観客は、時にカメラを持って館内を回りながら、どの位置から眺める絵(時に、複数の作品をあわせて対象とする)が最も良く見えるか、すなわち、どの位置からレンズを覗き込めば最も美しい写真をおさめられるか、なんてことを考えながら歩く。今回、館内は撮影可能だったこともあり(この頃、まだ日本では撮影できない美術館が多かったように感じる)、スマホのカメラを手に鑑賞していたのだが、そんな新しい楽しみにも気がついたシカゴ美術館訪問となった。

やはりモダンのアートも好きだな。あまり直感的には意味が分からないものを並べ立てて、これがモダンや、どや、って感じの作風は好きじゃないけど、ただ単に何色かの色を塗り並べたキャンパスであっても、そこにスタイリッシュさが存在する、あるいは斬新なアイデアの中にちょっとしたユーモアを交えている、そんな作品が好みだ。ガラス越しに見える高層ビル群とのコントラストも相まって、彫刻類も非常に洗練された印象を受ける並びとなっていた。

続いて向かったのは、印象派の絵画の区画。モネの睡蓮、ゴッホの自画像やら、たぶんここら辺の絵は以前にも見たことがあったと思うのだけれど、やはり名作とあって鑑賞。

シカゴ美術館の目玉に対面

続いてお目にかかったのが、シカゴ美術館の目玉の一つといってもいいのではないでしょうか、寄贈者の遺言によって門外不出になっているという、フランス人作家スーラの「グランド・ジャット島の日曜日-1884 (A Sunday on La Grande Jatte-1884)」。ああ、この絵か、とお初にお目にかかりました。

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次の部屋にはルノワールの展示。私、何を隠そう、以前、横浜美術館にてルノワールの絵の中の女性に恋をしてから、ずっと気になっていたのでしょう。今回見た作品の中にも、彼女の目元の優しさの面影が残っていて、私は今日この瞬間に、ルノワール作品のファンになってしまったのでした。また会えた、という喜び。

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その後は、エルグレコの作品だけは一目見ようとEuropean Art before 1900のコーナーに小走りで向かったり、Chicago Architectureのコーナーを眺めたり、地下のPaperweightsのコーナーで日本から来ていると言う高校生たちに話しかけたり、内容が盛りだくさんのシカゴ美術館でした。

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そして、ここでのこと、アムトラックの路線検索をすると、28日のニューオーリンズからロサンゼルスまでのチケットに空きが出ていることを発見する。館内では電話が圏外だったため、慌てて街中の静かなビルの前まで飛び出して、理解が悪いオペレーターに苦戦しながらもようやくチケットを抑えることに成功。最高の気分のまま、もう一度美術館に戻って、お土産コーナーへ。三原色とグリッドが印象的なピート・モンドリアンなど、複数の絵葉書を購入。追って、この絵葉書は日本宛にクリスマスカードとして贈られたのでした。

17時に再び美術館を後にしたころには、あたりはすっかり暗くなり、引き続き止むことのない雨。本当はシカゴのブロードウェイをもうちょっとちゃんと見て帰りたかったけどやむなく断念し、ホステルの方向へ。

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シカゴに別れを告げる

もしかして夕食のときに寄れるかな、と思って覗いてみたジャズバーBuddy Guy Legendでは、演奏は18時からとのことで写真にだけ収めて一時帰宅。結局その後はシャワー浴びたり、アムトラックの予約をとったり、明日のバスの乗り換えを調べたりで時間無かったね。ホステルを出発し、Chicago Union Stationへ到着。最後は時間ギリギリでホーム上を走りながら、21:30発のLake Shore Limitedに乗り込んだのでした。

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席がだいぶ込んでいたせいで、ある女の子の隣に座る事に。同年代ぐらいかな、彼女もBuffaloまで向かうとのことで多少の会話をしたけれども、向こうは寝たいみたいだったし、こっちも夕飯を食べたかったしで、それぞれが明日に向けての準備をするのでした。

今日の一曲

このバンド、疾走感あるピアノサウンドと伸びやかなボーカルが好き。
Chicago Poodle (シカゴプードル) - ODYSSEY


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