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あなたへ向けた日記 No.19

息子へ。

君の目に、お父さんはどう映っているだろうか。

君は言葉が遅かった。別に嘆く必要はない。お父さんもそうだったらしい。だが、なんの不自由もなく生きている。人には個人差というものがある。

もちろん、お父さんやお母さんは、君が何を言っているかわかっていた。しかし、保育士さんや、お友達のお父さんお母さんなんかは、まだちょっと難しかったかな。それが最近は、まがりなりにも伝わるようになってきた。友達同士の話も伝わるようになってきたんだろう。君がおふざけして楽しむのはよくわかる。

けど最近、どうやら君はおふざけ自体が楽しくなってきたようだ。ありがとう、ごめんね、というべき場面や、危ないからやめてというような場面でもおふざけして、ハラハラする場面が出てきた。

お父さんは、きっと君の目には厳しく映っているんだろうな。危ないからやめてと言ったのにふざけて続けていた君を、おれは他のお友達の前で怒った。君は少し珍しく、躍起になって、お父さん嫌い、嫌だ、と泣いて反抗していた。

恥をかかされた、というような思いがあったのかもしれないね。君も男だ。気持ちはわかるつもりだ。

だけど、本当に危なかった。君が振り回している傘の先端が、友達の顔にぶつかりそうだった。なんなら目に入ってもおかしくなかった。そうなってはいけない。友達が怪我をするし、そんな経験を君にさせたくない。何より、危ないからやめてと言ったことは、本当にやめて欲しかった。

あの事があってから、少し、おふざけの程度が穏やかになったかな、というような気がしている。ちょっと前までは手当たり次第、隙あらばという感じだったけど、今はそうでもなくなった。良いことか悪いことかは知らない。だがお父さんは嬉しく思う。

なぜ怒ったのか、一応お父さんなりに説明はしたが、内容を理解していたかどうかはわからない。ただ、もし「どうやら真面目にお話を聞かなければならない時もあるらしい」くらい、ぼんやりでも気づいてもらえたなら、それでいいと思っている。

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