夜はやさし
今では一般的とされる修正版(谷口陸男 訳)と、オリジナル版(森慎一郎 訳)を続けて読んだ。
オリジナル版の初読は3年半前にあり、えらく感動していたようだが、今回はそれほど響かず…とにかく「長い」という印象を受けた。
ちなみにその時のnoteが以下
https://note.com/seishinkoji/n/ncce7b274074d
『グレート・ギャツビー』が「離れ業」で、『夜はやさし』は「信仰告白」と著者は語っている。
下降してゆく中で、命を削って書いていたのだと思うと、それはとても切ない。
最後のあたりで、ニコルが遠目のダイヴァーを見て「行ってあげなきゃ」といい、トミーに止められてしまう。
著者フィッツジェラルドは「さしのべる人」だったのだと思う。