それでも人とつながって 014 非行気分3
『修行時代は大変ですよね』
遊びたい盛りの年頃。お小遣い制などというものは無く、なんとか稼いでお金を手に入れるしかなかった。周りがみんなそうだった訳ではないと思うけど。元気の余っている幼馴染達もみんな何処かでアルバイトのようなことをしている。今思えば解体屋だったんだなと思う内容や飲食関係。味噌の訪問販売という今考えると恐ろしい内容のものもあった。年端も行かぬ少年が玄関を叩いて「お宅は白味噌ですか赤味噌ですか」などと尋ね回るのは、まるで不可解な心霊現象の一つのようにも思える。