しゅてん

元地方公務員。中学生の時に保護司さんの手引で児童養護施設に関わる。その後、様々な出会いを経て、道に迷う青少年、障害者、高齢者、法を犯してしまった人などとの繋がりから11年前に法人を設立。人との多様な関わり方を生業として現在に至る。

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元地方公務員。中学生の時に保護司さんの手引で児童養護施設に関わる。その後、様々な出会いを経て、道に迷う青少年、障害者、高齢者、法を犯してしまった人などとの繋がりから11年前に法人を設立。人との多様な関わり方を生業として現在に至る。

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それでも人とつながって 022 障害5

『寂しそうでいて、どこか微笑んでいる』 当事者支援。どうもこんな言い方には面映ゆさを感じてしまう。 支援者。こんな言葉も。自分にはそぐわないような気がする。 自己紹介をする時にも、なんだか自分の役割をそうと名乗りにくい。 たまたまそんな場面に居合わせることがあるだけで。 まだ独立を果たしていない頃。ある日のこと。 職場の事務所で広報誌を作成していると、一人の当事者が受付のカウンターの前に立ってジッとこちらを見ている。 おやっ?と思いどうしたのと声を掛けてみる。 『えーっと

    • バニラアイス購入時だけ車が動かないという苦情。 Twitter & note 001

      『これって人にも起こっている現象な気がする』 記事は機械の場合だけど、人にも同じような事が起こっている時があるような気がする。 人の関わりの中で、何らかの負荷を受け続ける状況に陥る時がある。 ストレスという言葉で一括にはできない複雑な心身への負荷。 そんな中でも一つの物事にだけ取り掛かっては居られず、いろいろな要件が割り込んでくる。それが続く。そんな時。 本当は心のエンジンを掛けたいのだけど上手く掛からない。 気持ちにブレーキを掛けたいのだけど効かない。そんなふうにな

      • それでも人とつながって 021 少女③

        『子ども用の下着なんです』 お年頃の少女。この子のことは小さい頃から知っている。 少女はお婆さんと二人で暮らしていて、両親は色々な事情から存在しないことになっている。 少女がまだ物心もつかない頃。ある出来事からお婆さんが引き取った。 少女に両親の記憶は殆どない。 [それでも人とつながって 015 少女① 020 少女②] 両親に起こったある出来事。 その出来事の内容も存在も同居のお婆さんがひた隠しに隠している。 実は少女の片親はこの世に存在しない。 月日が流れ。少女とい

        • えっ。自分が?なんか嫌だ。

          『新しいものには一度触れておいた方が良いですよ』 人とのつながり方が多様化している。 そして日々、驚くような進化を続けている。 以前であれば、人と人とは対面以外でやり取りすることは難しかった。 古から続く手紙という方法が主だったのだろうか。つい最近までは。 ある若者と『人とのつながり』について話していた。 今は昔に比べると簡単に連絡が取れるようになっている。 スマートフォンに代表される機器を使用して、想像もつかなかったような方法でやり取りが出来る。 いま書いている『no

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          2本

        記事

          それでも人とつながって 020 少女②

          『お金が無いです』 思春期前後の頃。そういえばいつも無計画で行き当たりばったりだった。 と、書いてみたものの実は今も大して変わらない気がする。 いろいろ思い返してみると恥ずかしくなる。・・・記憶を消したい。 いろいろな子のいろいろな場面を見るたびに「今の子は」と思いそうになるけど、そんな時。どうなんだろう。思いとどまる。 当時の自分を並べてみたらそれどころの騒ぎじゃないかもしれない。 でも。うーん。それにしてもなあ。 中高生という年代の少女から一本の電話。 その電話の内

          それでも人とつながって 020 少女②

          それでも人とつながって 019 酒天3

          『極めて何か生命に対する侮辱を感じます』 スマートフォンからコマーシャルの入らない放送局の音声が流れる。 世界的に拡大している流行病が日本でも深刻になってきた頃。 何となく使うようになったスマートフォンのアプリ。 いつの間にか。気が付けば毎日のように聴くようになっていた。 代表的な都市はシンボル的な建物を青く光らせたり赤く照らしたり。 そんな対応が功を奏したのか、季節的なことも手伝ったのか。 流行り病も一旦は収束の傾向に見えつつあった。 流行り病は海外では猛威を振るい続け

          それでも人とつながって 019 酒天3

          それでも人とつながって 番外 1

          『もし普通があるとすれば』 思春期前後に出会った友達。当時はみんな元気が溢れ過ぎているところもあって、色々な方々や色々な場所に縁が出来た。出来てしまったとも。 周りから見た自分達は余り好意的には受け止められていなかったと思う。 今になって。今までにも何度か。 「え~。もしかして昔ワルかったんですか?」と聞かれたことがある。 いやいや全然そんなのと違う。今と同じだよ。普通普通。笑って答える。 特に誤魔化している訳でもない。隠している気にもならない。 その時々で自分は普通だと

          それでも人とつながって 番外 1

          それでも人とつながって 018 障害4

          『困ってません』 その記者さんは困ったような顔をした。「それだと取材にならなくなってしまうので」と暫く考えている。何か別の質問の仕方を考えているようだ。 昔々。私に答えられない問いを投げ掛けてきた一人の女の子。 知的障害だという。その時の質問にはまだ答えられていない。 (それでも人とつながって [003 障害2][010 障害3]) ある障害当事者団体を通して『定額給付金』の申請について取材対象を探している報道機関があると相談があった。 「彼女なら適任じゃないかと思うの

          それでも人とつながって 018 障害4

          それでも人とつながって 017 非行気分4

          『ヘイ!ボーイ』 やや前屈みでヘルメットを小脇に抱えて走る。彼はラガーマンのような走りを見せた。植え込みを飛び越え、木々の間を縫って走りに走る。速い。 なぜあんな事になったのか。後になってみるとその出来事の因縁生起が良く分からない事がある。その場ではただの偶然と運だったような。 人や物のつながりの不思議を感じる。 年代によって出来る友達というものがある。 自分がその年代になって出会い。そこからのつながり。 それは学校だったり、活動だったり、生活や仕事的なものだったり様々

          それでも人とつながって 017 非行気分4

          それでも人とつながって 016 若者①

          『でも難しいって聞いたんで』 若者はそう答えた。彼と話している中でふと気付いたことがある。 世の中は情報に溢れている。その情報の取捨選択はこちらに任されている。でも若者は種々在る情報の中から特に諦める理由を見つけて選び出す。 諦める理由がある。だから何もしようとしない今が正しい。 今回。若者が選んだ理由は「人から難しいと聞いた」というまず一つ。 それについては自分もまだ何一つしたことは無くても。 それでも若者が何かを諦めるには十分な理由になっている。 ・・・いやいや。何

          それでも人とつながって 016 若者①

          それでも人とつながって 番外 ご説明

          『お読みくださったあなたに心から感謝いたします』 これも人とのつながりの一つの形。 稚拙な文章。にも至らない。文章とも呼べないような代物ですが、読んでくださって本当にありがとうございます。 まだ投稿を開始して日が浅いのですが、思いの外お読みくださっている方があることが分かりとても嬉しくとても驚いています。 そもそもは。 いろいろあった出来事を書き留めておこうというだけでした、noteも何となく利用しました。機能や仕組みは未だによく分かっていません。 ですが、お読みくだ

          それでも人とつながって 番外 ご説明

          それでも人とつながって 015 少女①

          『外に誰かが居て恐くて眠れない』 今日もよく働いた。「仕事」という感覚とは少し違う気がするんだけど。 役割があって状況に向き合うのではなく、状況があって役割を求められることが多い。毎日が不意打ちだ。それか。そういうのを仕事というのかな。 はぁあぁ~~っ。脱力しながら横になる。同時に電話が鳴る。なんでダヨ。 こんな夜遅くに誰だこのやろうめと思いながら電話を取った時にチラッと目に入った画面表示を見て一気に緊張感がもどりシャキッとする。 ある少女の名前が表示されている。 ある

          それでも人とつながって 015 少女①

          それでも人とつながって 014 非行気分3

          『修行時代は大変ですよね』 遊びたい盛りの年頃。お小遣い制などというものは無く、なんとか稼いでお金を手に入れるしかなかった。周りがみんなそうだった訳ではないと思うけど。元気の余っている幼馴染達もみんな何処かでアルバイトのようなことをしている。今思えば解体屋だったんだなと思う内容や飲食関係。味噌の訪問販売という今考えると恐ろしい内容のものもあった。年端も行かぬ少年が玄関を叩いて「お宅は白味噌ですか赤味噌ですか」などと尋ね回るのは、まるで不可解な心霊現象の一つのようにも思える。

          それでも人とつながって 014 非行気分3

          それでも人とつながって 013 酒天2

          『あの日追いかけてきた恐いおじさんの名前を僕たちはまだ知らない』 「なんで逃げないかね」 幼馴染である友人の一人がスマートフォンをいじりながら呟いている。 少し憤って居るような様子になんのことだろうと尋ねてみると「逃げちゃえば良いのに。ここまで異常に従順なのは何なんだ。逃げようぜ」とこちらへの返答でもなく、誰に語りかける訳でもないように言葉を発した。 一体なんだろうと友人のスマートフォンを覗く。 ある少年事件のニュースを見ているようだ。 内容を斜め読みしてみても、いじめ・

          それでも人とつながって 013 酒天2

          それでも人とつながって 012 酒天1

          『暴走族の総長になれば良いんじゃない?』 色んな出会いがある。出会った先に出会いがある。知り合って見ると相談を持ち掛けられるようになることがある。自分なんか何も出来ないのだけど。 色んな人とのつながりで自分の存在があるような気がする時がある。 でも。人の様々な状況や人の在る様々な形を見知ると悩む事もある。 だから話を聴かせて貰う。でもどうすれば良いのかと思い悩む。 そんな悩みをある友人に打ち明けてみた。「好きだね」と笑っている。 人の笑い事であるようなないような。それでも

          それでも人とつながって 012 酒天1

          それでも人とつながって 011 非行気分2

          『ただ寝ているだけに見えるよな』 動かなくなった友達を見て一人の幼馴染が言った。見慣れない木の箱の中に横になっているこの友達は元は地元の幼馴染だ。「元は」というのは、ちょっと前に自分達の住む地域からすると少し遠方に引っ越していったからだ。事情は知らない。それは突然だった。前の日も何も言っていなかった気がする。幼馴染たちもその友達の引越について聞いていたものは居なかった。 引っ越してから分かった。突然の出来事だった。 その当時の友達付き合いというのは色々な点で理屈がなかった

          それでも人とつながって 011 非行気分2