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42.195キロのシンデレラストーリー。高校時代に交通事故で大けが、大学はサークル。23歳、小林香菜選手が日本人トップの2位に。大阪国際女子マラソン。世界陸上へ名乗り

42.195キロのシンデレラストーリー。大阪国際女子マラソンで小林香菜選手(23)が日本人トップの2位に入った。高校時代に交通事故で大けがを負い、大学時代は陸上サークル。本格的なマラソン練習は就職してから、わずか9カ月。それが2時間21分19秒の好タイム。今年9月の世界陸上の参加標準記録をクリアして、名乗りを挙げた。新星登場だ。

大阪国際女子マラソンは3度目の出場。今回は中間点で先頭集団から遅れたが、そこから巻き返す。パリ五輪6位入賞の鈴木優花選手に30キロで35秒の差を付けられていたが、残り800メートルで逆転。日本人トップとなる2位でのフィニッシュだ。

小林選手は群馬県出身。中学2年に水泳部から陸上部へと転部した。学校で毎年秋に行われている駅伝の練習。ここで走る喜びに目覚め、全体練習だけでなく、自主練習もするように。

ここから陸上競技生活が始まる。中学3年時には3000メートルで全国大会に出場した。

ただ、ここから一気にブレイクとはいかなかった。埼玉県の早大本庄高に進学したが交通事故で大けがを負う。タイムが伸び悩んだ。早稲田大学に進学したものの、女子の陸上部は人数が少なく、駅伝メンバーが作れない。

小林さんが選んだのは陸上サークルだった。「早稲田大学ホノルルマラソン完走会」に入会し、市民大会への出場やマラソンイベントの企画に取り組んだ。

通常、陸上選手は大学時代に陸上部に在籍して本格的な長距離練習を積んでいく。小林選手のようにランニングサークルで活動するのは異色だ。

実業団チームに連絡を取って、練習に参加させてもらったが、サークル活動を行っていることに不信感を抱かれたこともあったという。

2年前に初めて大阪国際女子マラソンを走った際に、中間点を1時間11分57秒で走ったことが、大塚製薬から評価され、就職へとつながった。

昨年4月に社会人となり、本格的にマラソン練習をしてから、まだ9カ月。質も量も充実した練習を行うことで、一気に才能が開花した。

今回のタイム2時間21分19秒は、日本の女子マラソン歴代10位に入る。今年の東京で行われる世界選手権の参加標準記録2時間23分30秒をクリア。代表選考へ名刺代わりの好記録を見せた。

30キロからゴールまでのタイムは、今回優勝したウォルケネシュ・エデサ選手(エチオピア)よりも速かった。小林選手の後半の強さは代表選考にプラスに働くだろう。

シンデレラストーリーは突然に。小林選手の今後のマラソン人生が楽しみだ。

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