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眠れる虎、ここから巻き返しだ。阪神がオープン戦10敗目で12球団中最下位。主軸の佐藤選手は打率1割2分8厘。球団初の日本一連覇へ、まずは落ち着くのが肝心

昨季王者の阪神よ、ここから巻き返しだ。オープン戦10敗目で12球団中最下位に低迷している。主軸の佐藤輝明選手(24)は出場11試合で打率1割2分8厘と低迷。レギュラーシーズン開幕まで、あと10日ちょっと。球団初となる日本一連覇を目指すうえで、まずは落ち着くことが肝心だ。

オープン戦で、昨季日本一の阪神がもがいている。16日の中日戦で3-4と競り負けて、10敗目となった。1勝10敗1分け。勝率9分1厘で最下位だ。一方、昨季日本シリーズを戦ったオリックスは6勝2敗1分けでトップ。両者の明暗がくっきり出ている。

昨季の日本一に貢献した主軸の佐藤選手が波に乗れずにいる。オープン戦11試合で39打数5安打。打率は1割2分8厘だ。15日の試合では九回無死一、三塁で空振り三振。岡田彰布監督から「三振は何も起きない」と苦言が出た。翌16日は欠場となった。

オープン戦の成績をどう評価すべきか。若手選手にとっては1軍に入るための生き残りの場。レギュラークラスの選手にとっては調整の場になる。成績が悪くても、公式戦の成績に加算されるわけではないから、慌てる必要はないのだ。

阪神がオープン戦で二けたの敗北を喫したのは2019年以来。ただこのシーズン、阪神はリーグ3位に入りクライマックスシリーズに進出している。

佐藤選手についても、昨季打撃不振で出場登録を抹消する時期があったものの24本塁打を放った。プロ野球の左打者で唯一となる新人から3年連続の20本塁打以上を達成した。9月、10月には打率3割5分6厘と絶好調だった。

前向きに考えれば、佐藤選手はオープン戦の時期に不調に陥り、レギュラーシーズンに入ってから活躍し続ければ、なんの問題もないのだ。

38年ぶり2度目の日本一に輝いた阪神。連覇に向けて周囲の期待は高まっていく。それだけに、オープン戦の結果に過剰反応してしまうのだろう。

チームはまず落ち着くのが肝心だ。オープン戦の低迷で、自らに、そしてチーム全体に不信感を抱いてしまうのが、一番危険だ。「オープン戦は調整の場」と割り切るのが一番だろう。

3月29日のプロ野球公式戦開幕まで、あと10日ちょっと。阪神の初戦の相手は、ライバルの巨人だ。「伝統の一戦」で、阪神が好結果を出せれば、シーズンのロケットスタートを切れるだろう。

阪神のオープン戦は残り6試合。問題点をあぶり出し、立て直すためには十分の機会がある。眠れる虎よ、ここから巻き返しだ。

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