「その先の戦い」はすでに始まっている。日本ハムの3年目、達投手がプロ2戦目でうれしい初勝利。CS念頭に新庄監督の絶妙な起用。貴重な戦力となりそうな予感
「その先の戦い」はすでに始まっているのかもしれない。日本ハムの3年目、達孝太投手(20)がプロ2戦目でうれしい初勝利を挙げた。クライマックスシリーズ(CS)を念頭にした新庄剛志監督の絶妙な起用に思えた。身長194センチの達投手。ロッテとのCSの戦いで貴重な戦力となりそうな予感がする。
3日にアウェーの千葉で行われたロッテ戦。日本ハムは今季の2位が確定している。3位のロッテとCSファーストステージで戦うことが決まっている。この日のゲームはいわば「前哨戦」の意味合いがある。
新庄監督は先発マウンドに達投手を送り込んだ。プロ3年目の右腕にとって2年ぶり2試合目となる1軍登板だ。
新庄監督にとって絶妙な起用だ。先発ローテーションの投手を使えば、CSで戦うロッテの打者たちに「手の内」を見せてしまうことになる。そこで達投手を送り込んだ。もしも達投手が好投すれば、CSでの貴重な戦力となりえる。
達投手は奈良の天理高校出身。2021年の選抜大会で4強入りに貢献した。同年のドラフト会議で日本ハムから1位指名されて入団。ルーキーイヤーに1度、1軍マウンドに立ったが、昨年の登板はなく、2年ぶりとなる1軍の舞台だ。
達投手は初回にいきなり二塁打を浴びるが、後続を打ち取って無失点。これで弾みがついた。二回と三回にも先頭打者にヒットを許すが、相手のイニングスコアに「0」を並べ続けた。
2m近い身長から投げ下ろすピッチング。最速152キロのストレートは相手打者には脅威に思えたはずだ。
四回、五回と三者凡退に抑えた。5回76球を投げて無失点。味方打線が初回に1点を挙げたため、達投手は勝利投手の権利を持ってリリーフ陣にマウンドを託した。そして日本ハムは無失点リレーでロッテに3-0と快勝した。
達投手にとって、プロ3年目でうれしい初勝利。そして新庄監督にはCSのロッテ戦で「手駒」が一つ増えた形となった。
レギュラーシーズンで無駄な試合は一つもない。12日に開幕するCSファーストステージに向けて日本ハムは戦力強化に成功した。
「その先の戦い」はすでに始まっている。新庄日本ハムのポストシーズンに注目だ。