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侍ジャパンの「必殺仕事人」。中日・清水投手が連夜の火消し。プレミア12の台湾戦。無死満塁のピンチで登板。10球で無事解決。前日のベネズエラ戦もワンポイントリリーフ成功

このピッチャーを侍ジャパンの「必殺仕事人」と呼びたくなる。中日の清水達也投手(25)だ。プロ7年目の右腕。国際大会のプレミア12では、あらゆるピンチに登板し火消しに成功している。台湾戦では無死満塁のピンチにマウンドに上がり、ピシャリと無失点で片づけた。前日のベネズエラ戦ではワンポイントリリーフに成功。頼もしい存在となっている。

23日に東京ドームで行われた2次リーグの台湾戦。日本は初回に4点を奪って先制したが、二回以降、追加点が奪えずにいた。

守備では三回に1点を返された。そして五回表。先発の早川隆久投手(楽天)が2連続四球の後でタイムリーヒットを浴びた後、さらに2者連続四球で押し出し。4-3と1点差に詰め寄られ、なお無死満塁のピンチが続く。

ここでマウンドに送り込まれたのが、清水投手だった。中日では主に七回の場面で登場するセットアッパー。今季60試合に登板し3勝1敗1セーブ36ホールド。防御率は1.40と自己最高成績だった。

イニングの最初からでなく、無死満塁の大ピンチ。しかも2点を返して勢いづいている台湾打線をいかに抑えるか。

相手は5番の中軸を打つ左バッター。清水投手は初球、内角低めのストレート。ボール。2球目は外角高めに直球。ボール。高低を使って打者をけん制する。そして3球目。真ん中高めの146キロストレート。相手打者が振り抜いた。

打球は清水投手の足元を襲う。清水投手は地面すれすれにグラブを下ろして打球を収めると、ホームへ返球。ワンアウト。さらに古賀悠斗捕手(西武)が一塁へ送球。ツーアウト。ホームゲッツーだ。

2死を取ったとはいえ、なお二、三塁のピンチは続く。相手の6番打者には、2球連続ボールの後に、3球目を真ん中高め、4球目を内角低めでストライクを取る。カウント2-2。

5球目。フォークで低めに落としたが相手はファールで逃れる。6球目の真ん中ストレートもファールで粘られた。

どうする清水投手?7球目。137キロのフォークを地面すれすれに落とした。相手打者はバットを止めきれず、スイングの判定を取られて空振り三振。無死満塁の大ピンチを清水投手が切り抜けた。

まさに「清水の10球」。ストレート中心に攻めながら、最後はフォーク。相手への揺さぶりが見事に結実した。

清水投手の好投で、勢いづいた日本は、直後の攻撃で3点を奪うなど流れをつかんで、9-6で打ち勝ち、2次リーグを1位通過で決勝に進んだ。

清水投手は決勝進出に大きく貢献した一人だ。前日のベネズエラ戦では、9-5とリードした七回表に登板。2死一、二塁のピンチで相手の4番打者と対峙し、サードゴロに抑えてワンポイントリリーフに成功した。

17日の1次リーグのキューバ戦では1回3分の2を投げる「イニングまたぎ」をしても無失点に抑えた。

無死満塁、ワンポイント、イニングまたぎ。どんなシチュエーションだろうと、無事解決する。清水投手はプレミア12で4試合に投げ無失点。まさに「必殺仕事人」だ。

そしてドラマ「ドクターⅩ~外科医・大門未知子」を見ている気分だ。米倉涼子さんの演じる主人公の「私、失敗しないので」というセリフ。これが清水投手のピッチングにマッチする。

24日に日本は決勝で台湾と戦う。清水投手が登板すれば22日からの3連投となる。出場するかどうかは微妙だが、マウンドに上がれば、「必殺仕事人」は見事に危機を救ってくれるだろう。

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