最後を飾るのにふさわしい場所がある。競馬のラストランは有馬記念で。GⅠで5勝のドウデュースが引退レース。ファン投票47万8415票は歴代最多
最後を飾るのにふさわしい場所がある。競馬の世界では年末に行われる有馬記念(GⅠ)が最もふさわしく思える。そして、ラストランに挑むスーパーホースがいる。GⅠで5勝を挙げたドウデュース(牡馬5歳)だ。ファン投票では歴代最多となる47万8415票を獲得。「グランプリ」とも言われるビッグレースで最後の勇姿を見せてほしい。
ドウデュースはデビュー以来、ほとんどのレースでレジェンドジョッキー武豊騎手(55)とコンビを組んできた。
今年の天皇賞・秋、ジャパンカップのほかにダービー(2022年)、2021年の朝日杯FS、そして昨年の有馬記念とGⅠで5勝を挙げた。
輝かしい栄光の一方で、2022年にフランスの凱旋門賞に挑戦した際には20頭立ての19着になるなど大敗を喫した。
スーパーホースだが、酸いも甘いも噛み分けてきた。それだけに親近感を抱かせる馬でもある。
そのドウデュースが最後のレースに挑む。47万超の歴代最多の票が入ったのも、ラストランにかける身近な英雄を応援したいからだろう。
近年のスーパーホースは有馬記念を走ることなく引退してしまった。
芝のGⅠレース9勝と最多記録を打ち立てたアーモンドアイ。そしてGⅠ6勝を挙げ、世界の競走馬格付け「ワールド・ベスト・レースホース・ランキング」で1位になったイクイノックス。2頭とも11月のジャパンカップを最後にレースから去った。
それだけに、競馬ファンは今年のドウデュースの有馬参戦に期待したくなるのだろう。
最後はやっぱり有馬記念で。1990年の有馬記念が忘れられない。競馬が社会的に認知されるきっかけとなったオグリキャップのラストラン。
引退間際は大敗続きで、「オグリは終わった」とも言われていた。それが武豊騎手とのコンビでラストランを勝利で飾った。スタンドから「オグリ」コールが沸き起こった。馬名のコールがスタンドから起こったのは初めてだったはずだ。
今回のドウデュースも武豊騎手とのコンビ。ただ違うのは、ドウデュースは今年の秋、天皇賞とジャパンカップを連勝している。ラストの有馬記念も制して花道を飾れるかに注目が集まっている。
最後を飾るのにふさわしい場所。有馬記念は12月22日、中山競馬場で行われる。47万8415票の期待とともに、ドウデュースがどんなラストランを見せてくれるのかに注目だ。