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お互いを高め合うライバル関係がすばらしい。高校野球西東京大会。早実が粘る日大三を振り切ってサヨナラⅤ。これまで決勝の勝者が甲子園も制した歴史

ライバルは決して憎い敵ではない。お互いを高め合うライバル関係こそがすばらしい。高校野球の西東京大会決勝。早稲田実が粘る日大三を振り切って、甲子園出場を決めた。両校は決勝で勝った方が甲子園も制した歴史がある。激戦を制したからこそ、さらなる成長につながる。今回は早実がわずかに上回ったが、日大三の粘りもたたえたい。

28日に神宮球場で行われた決勝戦。先制したのは早実。初回に3点を奪い優位に立つかに見えた。しかし、日大三は三回、3点本塁打が飛び出した。序盤は4-4。

ここからは手に汗握るシーソーゲーム。四回裏に早実が1点を勝ち越す。しかし直後に日大三は3点を奪って7-5と逆転。早実は五回に1点、六回に2点を奪い8-7と再逆転。試合はどちらが勝ってもおかしくない展開だった。

七回に日大三は2点を奪って、さらに逆転。終盤の勢いは日大三にあるかに思えた。それでも早実は八回に追いつき、そして九回に内囿光太選手が無死満塁からレフト前へサヨナラ安打を放って、10-9で頂点に輝いた。

歓喜の輪が広がる早実。泣き崩れる選手もいた日大三。この状況が入れ替わっていたとしても、まったく不思議ではない試合だった。

両校が切磋琢磨し決勝で戦い、勝者が甲子園でも勝ち上がり全国制覇を成し遂げる。そういう歴史が続いている。

2011年の西東京大会決勝。この時は日大三が早実に2-1で競り勝ち、全国選手権に出場。甲子園でも勝ち進み、日本一となっている。

そして2006年決勝は斎藤佑樹さんがエースだった早実が日大三に延長十一回にまでもつれた大接戦を5-4でサヨナラ勝ち。甲子園では田中将大投手(現楽天)の駒大苫小牧との決勝を制して、悲願の初優勝を決めた。

早実は今回9年ぶりの甲子園切符となった。9年前は清宮幸太郎選手(現日本ハム)が1年生だった。日大三とは準決勝で対戦し、2-0の接戦を制して、甲子園へ名乗りを挙げた。

甲子園では準決勝敗退。もしも日大三との試合が決勝だったら、甲子園も制していたかもしれない。

今年の決勝後、早実の和泉実監督は「(日大)三高の選手の涙を見て、そういうものも背負いながら甲子園に行って、もっと強いチームになってくれるんじゃないかと期待している」と語った。

お互いを高め合うライバル関係があるからこそ、勝者は敗者の分の思いを胸に、さらなる強さを手にできる。このようなライバル関係がすばらしい。

勝った早実に祝福を。敗れた日大三の粘りに拍手を送りたい。

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