2025年。スポーツ日本一の「一番星」は旭化成。ニューイヤー駅伝。アンカー勝負を制して5年ぶりのⅤ奪還。元日に夢をつなぐ大会。これからも恒例イベントであり続けて
2025年の元日。スポーツ界で、日本一が早くも決まった。「一番星」はニューイヤー駅伝を制した旭化成だ。5年ぶりのⅤ奪還。最多26回目の優勝に輝いた。かつては元日にサッカーの天皇杯決勝が行われていたが、年をまたがず同一年にチャンピオンを決定するようになった。ニューイヤー駅伝がこれからも元日恒例のイベントであり続けてほしい。
群馬県内を7区間100キロ駆ける実業団駅伝。県庁をスタートした一団が夢をつなぐレースを繰り広げた。
旭化成は1区で長嶋幸宝(そなた)選手(20)がトップで2区につないだ。「幸宝」という縁起の良い名前。ハタチのランナーは2025年に幸せとお宝をもたらしてくれそうな気がする。
2区で4位に順位を落とすが、3区からは2位の位置で逆転を狙う。そしてアンカーの井川龍人選手(24)がタスキを受け取った。首位のHondaとは12秒差だ。
最終区間は15.6キロ。井川選手は最初から加速して追い上げていく。そして5キロ手前。ついに先頭に追い付いた。井川選手はここで後ろにピッタリと付いたまま、レースを進めていく。
トップを走るHondaの中山顕選手(27)からしたら、嫌な展開だろう。相手の気配を真後ろに感じながら走り続けなければいけない。
両者の駆け引きが続く中で、最初に動いたのはHondaだった。残り1キロ付近。中山選手がスピードを上げて、井川選手を振り払いにかかる。
しかしサングラスをかけて走る井川選手は冷静だ。相手についていく。そして、残り500メートル付近。逆に勝負に出た。一気にスパートだ。
500メートルのロングスパート。ゴールの県庁までは大通りを一直線。ラストに備えて温存していたパワーを一気に開放する。まるで短距離かと思わせるようなラストの加速だ。
華麗な逆転劇。旭化成がトップでゴールを駆け抜けた。名門復活。2017年から4連覇を達成したが、21年と22年は3位。そして23年は16位と大敗した。再起をかけて昨年は3位。そして今年、スポーツ界の日本一「一番星」となった。
元日にスポーツイベントを行うことは、かなりの負担がかかる。その中で、群馬県などの協力があり、毎年実施されていることに感謝したい。元日からスポーツナンバーワン決定戦を見られるのは幸せだ。
かつてはサッカーの天皇杯決勝が元日に行われていたが、最近は年をまたがずに決勝が行われている。
それだけにニューイヤー駅伝は貴重な存在だ。来年以降も元日に夢をつなぐ大会が続くように願っている。