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受難の時代に新たなスターが生まれる予感。プロ野球。セパ通じて3割打者が3人のみ。「ドラ9」から飛躍のDeNA山本選手。規定打席未満だが打率3割1分5厘と好調

受難の時代に新たなスターが生まれる予感。プロ野球は10日段階で3割打者がセパ合わせて3人しかいない。明らかに「投高打低」だ。打者にとっては厳しいシーズン。そんな中でDeNAの山本祐大選手が気を吐いている。「ドラフト9位」入団のプロ7年目。わずかに規定打席に届いていないが、打率3割1分5厘と快音を響かせている。

バッターにとって厳しい時代だ。10日段階で規定打席に到達している3割打者はセパ通じて3人。セリーグでは打率3割1分7厘のヤクルトのサンタナ選手のみ。パリーグでは打率トップのソフトバンク近藤健介選手の3割4分5厘。田宮裕涼選手の3割3分5厘。

昨シーズンは規定打席に到達しての3割打者が5人しかいなかった。2リーグ制になった1950年以降で最少だ。「投高打低」は今季も変わらない。

これはノーヒットノーランの数にも表れている。2022年には完全試合を含めたノーヒッター試合は5試合。昨季は2試合。そして今季も6月前半までに2試合で起きている。

バッター受難の時代。こんな時こそニューヒーローが現れる予感がする。第1候補がDeNAの山本選手だ。

今季47試合に出場し、打率3割1分5厘の成績は「打低」の時代にあっては立派な数字だ。10日段階の打席数は166。打率ランキングに登場するための規定打席(DeNAは179.8)にわずかに届いていないが、出場を重ねていけば、そのうち到達するだろう。

山本選手は京都翔英高時代に甲子園に出場。独立リーグを1年経た後に、2017年のドラフト会議でDeNAから9位指名を受けた。12球団の支配下選手の指名で、最も遅い82番目の順位だった。

いわば「最底辺」からのスタート。しかし、ここから山本選手がはい上がっていく。ルーキーイヤーの2018年8月に代打でプロ初打席を迎えると、いきなりホームランを放つ鮮烈なデビューを飾った。

2021年に51試合に出場。そして昨季は71試合。今年になってからは若手中心の侍ジャパンに選出され、3月の欧州代表の試合に出場した。

この勢いは止まらない。今季のレギュラーシーズンでも47試合に出場し、460打数114安打で打率3割1分5厘とバッティングが好調だ。

打つだけではない。守備はキャッチャー。ドラフト同期の東克樹投手とのコンビで、昨季の東投手の最多勝などに貢献。最優秀バッテリー賞に選ばれた。

山本選手は今、ノリに乗っている。この勢いで規定打席に到達すれば、首位打者の道も見えてくる。「ドラフト9位」からスタートしての首位打者。野球人生の下剋上ともいえるだろう。

山本選手のバットには希望がびっしり詰まっている。ハマのニュースターの予感。快音を響かせ続けてほしい。

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