取られたら取り返す。勝負に勝つ基本原則。侍ジャパンがライバル韓国に競り勝つ。プレミア12。五回2死から粘って満塁の好機。牧選手が逆転2点タイムリー
取られたら取り返す。これが勝負に勝つ基本原則だろう。国際大会プレミア12で、侍ジャパンがライバルの韓国に競り勝った。点を奪われた直後に奪い返した。これで相手の気力をそいでいく。五回には2死後に満塁のチャンスを作った。そして牧秀悟選手(DeNA)が逆転となる2点タイムリーを放った。これで日本は大会2連勝だ。
15日に台湾で行われた1次リーグB組の第2戦。日本は二回、韓国に先取点を奪われた。先発は高橋宏斗投手(中日)。今季、最優秀防御率のタイトルを獲得した22歳右腕。昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも代表入りしている。
日本を代表する投手へ成長している右腕も、ライバル韓国との戦いとなると力んでしまうのか。3本の長短打を浴びて1点を許してしまった。
しかし、日本は直後の二回裏に逆転した。「鉄は熱いうちに打て」ならぬ「点は取られた直後に取れ」。2死二、三塁から紅林弘太郎選手(オリックス)がレフトへ2点タイムリーを放った。
これで楽な展開に持ち込みたかったが、そう簡単にさせてくれないのが、ライバル韓国だ。日本は四回に高橋投手が1点を失う。五回にはこの回からマウンドに立った隅田知一郎投手(西武)が1点を失い、再び韓国にリードされた。これが「日韓戦」の厳しさなのだろう。
それでも日本は粘る。勝ち越された直後の五回裏。2者連続でアウトになってから、日本の本領発揮だ。辰己涼介選手(楽天)、森下翔太選手(阪神)が2者連続の四球を選ぶ。そして栗原陵矢選手(ソフトバンク)が死球。これで2死満塁。絶好機だ。
ここで登場したのが牧選手。カウント1-1からの3球目。外角低めのスライダーを捉えると、センター前へ弾き返して逆転の2点タイムリーとした。
点を取られたら取り返す。リードされたら奪い返す。韓国相手にリードされる展開が長引けば、自然と焦りにつながってしまう。だからこそ、早め早めに点を奪い返して、日本がリードする状況を続けたのが勝因となった。6-3。日本がライバル韓国に競り勝った。
これで日本は国際大会で韓国相手に9連勝。2017年のアジアプロ野球チャンピオンシップから続いている。
今回の試合のように早め早めに点を取り返しているから、優位に試合を進められる。ライバル相手に簡単に得られる勝利などない。むしろ「勝って兜の緒を締めよ」と考えるべきだろう。
点を取られたら直後に取り返す。そのためには、たとえツーアウトになってからでも粘ってチャンスを作る。これが勝ち抜く流儀だろう。粘り強い侍ジャパン。第3戦以降も楽しみだ。