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初の「みまひな」決戦。伊藤選手が3年ぶりに女王に返り咲き。全日本卓球シングルスで早田選手に快勝

2人が決勝で当たるのが初めてなのは意外だった。全日本卓球女子シングルスで伊藤美誠選手(21)と早田ひな選手(21)が30日、決勝で対戦し、伊藤選手が3年ぶり3度目の優勝を手にした。

組み合わせの関係で2人は昨年まで3年連続、準決勝で対戦していた。前日には2人でペアを組みダブルスで頂点に立っていた。大げさな言い方をすれば「昨日の友は今日の敵」で迎えたシングルス決勝だった。

試合は伊藤選手が「先手必勝」と言わんばかりに3セット連続で制した。あと1セットで優勝が決まる。

対する早田選手も2年前のシングルス女王。意地がある。第4セットでは、11-8と競り勝って逆転をめざす。

ただ、この日は伊藤選手が、巧みな技を次々繰り出し、早田選手を揺さぶり続けた。相手の変化するサーブに対しても、逆に変化をつけて返す「逆チキータ」を見せて、ポイントを奪った。

この試合のポイントは準決勝にあったかもしれない。伊藤選手は、対戦相手が発熱による棄権で、不戦勝となっていた。集中力のキープは難しかったろうが、決勝では立ち上がりから長いサーブを繰り出すなど、大胆な試合運びを展開して有位に立った。

一方の早田選手は、準決勝で大苦戦。第4セットで1-3とリードされていたが、そこから3セット連続して奪い、大逆転勝ちを収めた。

伊藤選手としては、相手が心身ともに疲労していることを見越して、決勝で果敢に攻め込んでいったのではないか。ゲームプランの立て方がうまかったように思えた。

伊藤選手は昨年の東京五輪で、金(混合ダブルス)、銀(団体)、銅(個人)のメダルを獲得。今、最も充実して大会に臨めたのではないか。

「みなひな」コンビに加え、昨年女王の石川佳純選手を今大会6回戦で下した加藤美優選手(22)の成長も著しい。

女子卓球界。これからも、見どころはたくさんありそうだ。それを印象づける大会初の「みまひな」決戦だったと思う。

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