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人生には「運・不運」の貯金通帳がある?楽天・早川投手が好投を続けながら、勝ち星につながらない。大学の先輩投手は勝ちまくっているのに
人生には「運・不運」の貯金通帳があるのだろうか。今季、楽天の早川隆久投手(24)はパリーグ防御率3位と好投を続けている。「1.59」の数字は立派だ。それなのに、なかなか勝利につながらない。今季2勝3敗と負け越している。「不運」をため込んでしまっているように思えるのだ。
24日に神戸で行われたオリックスとのアウェー戦。早川投手は7回2失点と抜群のピッチング。勝ち投手の権利を得て、マウンドを降りた。しかしチームは逆転サヨナラ負け。白星がスルリと逃げていった。
初回、先頭打者にいきなり三塁打を許してピンチを背負う。さらに四球。それでも3番打者を空振り三振に斬って取り、4番打者を併殺に抑え込んだ。得点を許さない。早川投手は、これで波に乗った。
二回、三回ともに三者凡退。昨季日本一のオリックス打線を手玉に取っていく。許した失点は四回の2点のみ。7回118球を投げて7奪三振。許したヒットが6本、四球は2つのみ。安定した投球を披露。3点リードの状態でマウンドを降りた。
あとはリリーフ陣に託すのみ。しかし後続の投手陣が打ち込まれた。八回に2失点。九回に「守護神」松井裕樹投手が逆転サヨナラツーランを浴びた。チームが負けたため、早川投手の好投も報われなかった。
好投が勝利につながらない。「運・不運」の貯金手帳にかなりの「不運」をため込んでしまっているようだ。
早稲田大学の先輩、小島和哉投手(26)も昨年、同じ状況だった。防御率3.14と大崩れしないシーズン。それにもかかわらず、3勝11敗と大きく負け越した。
2年前の2021年は防御率3.76ながら10勝4敗と自身初の二けた勝利を挙げていた。昨季はそれよりも好投しているのに、勝利につながらなかった。
今季、小島投手は防御率1.88でリーグ4位。24日の西武戦で5勝目を挙げた。勝利数でリーグトップタイに立った。
早川投手は防御率3位。大学の先輩よりを上回る安定感を誇るが勝利数は2つだけ。先輩との比較でも「不運」は明らかだ。チームが最下位に低迷している状況では、なかなか勝てないのかもしれない。
今月30日からプロ野球は交流戦を迎える。対戦相手がセリーグのチームに代わり、早川投手にとって「運」が向いてくるかもしれない。
人生、良いこともあれば悪いこともある。「禍福は糾える縄の如し」ということわざもある。頑張っていれば良いこともあるさ。
「不運」が貯まった貯金残高。それを吐き出して、勝利をどんどん呼び込めるかもしれない。早川投手の次回登板を見守りたい。