苦しみに耐えれば、流れを引き寄せられる。楽天が3位浮上。プロ4年目藤井投手は粘りのピッチングで初の2ケタ勝利。打線は元大リーガー攻略。投打の歯車がガッチリ
苦しみに耐えれば、流れを引き寄せられる。パリーグのAクラス攻防戦。楽天がロッテに快勝して3位に浮上した。プロ4年目の藤井聖投手(27)が粘りのピッチングを繰り広げて自身初の2ケタ勝利。打線は元大リーガーの左腕を攻略した。投打の歯車がガッチリかみ合い、勢いを増している。
18日にホームの仙台で行われたロッテとの試合。4位の楽天は勝てば勝率の差で逆転して3位に浮上する。ここで先発マウンドに送り込まれたのが、4年目の左腕、藤井投手だった。
初回にヒットを浴び、死球を出して1死一、二塁のピンチを背負う。しかし、ここから4番、5番打者を連続の空振り三振に斬って取った。無失点の立ち上がり。
藤井投手は二回も三回も相手に出塁を許しながら、イニングスコアに「0」を並べていく。
ピンチの後にチャンスあり。味方打線が三回に犠牲フライや相手のミスで2点を先制してくれた。
藤井投手は四回にソロホームランを浴びるが、最少失点で切り抜けた。藤井投手の粘りのピッチングがチームに勢いを呼び込んだ。
直後の四回裏。味方打線が5本のヒットに2つの四球を絡めて、この回4得点のビッグイニングに。相手の元大リーガー、カイケル投手を攻略した。藤井投手の粘りが打線に勢いを呼び込んだ形となった。
楽天が8-1と快勝。藤井投手は6回1失点の好投。94球を投げ、6安打2四死球。毎回走者を出しながら、粘りのピッチングでプロ4年目にして初の二ケタ勝利を手にした。
これで楽天はロッテとゲーム差で並び、勝率は5割1分2厘と、2毛差ながら上回り3位に浮上した。7月16日以来2カ月ぶりのAクラス圏内だ。
前日のロッテ戦では延長十回、逆転サヨナラ勝ち。この日も藤井投手の粘投が勝利を引き寄せた。楽天は今季最多タイの5連勝をマークした。
今江敏明監督も満足顔だ。「選手だけでなくチームとして、粘り強く本当に最後まであきらめずにやってくれている」と選手たちをねぎらった。
苦しみに耐えれば、流れを引き寄せられる。チームは投打の歯車がガッチリかみ合い、好循環を生み出している。
チーム創設20年目。3年ぶりのAクラス入りへチームは活気づいている。今季は残り15試合。上位争いはさらに厳しさが増してくるだろう。それでも苦しみに耐えれば、活路は開けるはずだ。
投打が支えあう楽天。苦しみの先に、明るい未来が見えるはずだ。東北のワシが空高く羽ばたき始めた。