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夜からの手紙

寝苦しい夏の夜、ヒロシは枕元に見慣れない封筒を見つけた。
差出人は
夜(幽霊代筆)
と書かれている。
そこには涼しげな文字でこう書かれていた。

拝啓 ヒロシ様。私は夜の代理を務める幽霊です。貴方が暑さで寝苦しい思いをされているかと思い、涼しさをお届けしようと現れました。私がそばにいるだけでひんやりするはずですから。

その瞬間、ヒロシの部屋にひんやりとした風が流れ、汗ばんでいた肌が少し涼しくなった。助かるよ。
とヒロシは感謝した。
幽霊がほっとしたように微笑んでいる。

ところが、幽霊は真剣な顔つきになり、ヒロシに向かってこう続けた。

ひとつだけ伝えておきたいことが…。
実はこの猛暑を招いたのは、あなたたち人間。だから、夏の夜を昔のように涼しくしてほしいなら、もっと地球に優しくしてほしいのです。

ヒロシは思わず苦笑いしながら、反省した。
そうだね、もっと環境に気を使うよ。
とつぶやくと、幽霊は満足そうに消えていった。

その後、部屋はまた暑くなったけれど、ヒロシは窓を開け自然の風を入れながら、地球のことを考えて夜を過ごしたのだった。

文字数:456字

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