見出し画像

禁断の誘導術・カリギュラ効果とは何か 【実践心理学】

 世の中には広義の心理学を背景とした有象無象が蠢いて、悪意ある心理操作も流布されています。最早それは闇の魔術といえましょう。
 闇の魔術に対する防衛術教える者として、看過できるものではありません。

 対抗する為には、まず闇の魔術がどのようなものかを知る必要があります。これは防衛の為の知識ですから、間違っても誰かに闇の魔術を試したりしてはいけません。

 しばらく前に『ぜったいに おしちゃダメ?』という絵本が大ヒットしました。これは作中に登場する押しちゃいけないボタンを読者に敢えて押させることで絵本の中に楽しい展開が生じて、子どもたちが大爆笑に包まれる作品です。

 禁止されるとやりたくなる心理、これをカリギュラ効果といいます。1980年公開の映画『カリギュラ』が、その過激な内容から公開地域が限定されたことで却って話題になってヒットしたことから名付けられた俗語です。この作品の場合には隠されたエロティシズムの側面も大いに関係しますから一概に「禁止→やりたくなる」の構図では説明しきれない現象ですが、このエピソードにみられた現象を心理学的に説明する場合、心理的リアクタンスという用語が適切です。

 リアクタンスは抵抗や反発を意味する言葉です。心理的リアクタンスとは、人が自由を制限されたと感じたときに、それに抗い自由を回復させようとする性質のことです。

 
 基本的な防衛術を考えるならば、そういう心理的反応があるのだと覚えておくだけでも役に立つことでしょう。

 しかしながらカリギュラ効果の応用にはコツが必要ですから、ただ禁止するだけでは上手くいきません。絶妙な駆け引きが必要です。


【この先は有料部分となります。あくまでも防衛術をお伝えする内容ですが、悪用される可能性を懸念し不特定多数の目に触れないように閲覧制限をかけさせていただきます。記事の趣旨にご同意いただける方のみ、お進みくださいませ。】

<内容>
・名作映画から考える基本構造と防衛術
・恋愛や人間関係への応用例と防衛術
・ビジネスへの応用例と防衛術
・総括と注意点

ここから先は

5,665字

¥ 300

この記事が参加している募集

ご支援いただいたものは全て人の幸せに還元いたします。