眠りにつく前に。
そろそろ寝ようか、と声をかけた午後8時半。
息子は首を振り、「パパとねる」と言いました。
まだ家事が残ってるから先にママと寝ていたら。
そう伝えてみたものの、息子の意志はかたいようで「いっしょにねる。ぼくがパパをてつだうよ。」と切り返されてしまいました。
娘はもう眠さの限界といった様子で赤ちゃんモード発動から妻の抱っこです。フルタイムで働く二歳児の保育園生活は疲労も相応にあるのでしょう。おやすみなさいと彼女たちは先に寝室に向かいます。
息子をみますと、仁王立ちで「ふすー」と鼻息荒く意気込んでおります。じゃあ手伝ってくれるかい、と訊ねると彼は勢いよく頷きました。
「相棒って呼んでくれよな!!」
オーケー相棒、まずは片付けをしようか。二人で散らかった玩具を仕舞います。息子と娘の玩具箱をそれぞれ用意してからかなりスムーズにことが運ぶようになりました。あとは洗濯物を畳むのと、食器を洗うのと、洗濯機の予約かな。では息子くん、手伝ってくれるかい。
「相棒って呼んでくれよな!!」
…相棒、手伝ってくれるかい。
「わかりました!」
急に敬語になる息子と共に家事を片付けます。独創的ながら一生懸命な畳み方、食器を洗う様子を足台から覗き込む眼差しに癒されます。明日の朝に仕上がるように洗濯機の予約をセットして、そうそう、洗剤を入れるのとスイッチを押すところをやってもらうことにしましょう。そうして21時頃には一通りの片付けと明日の準備が終わりました。
助かったぜ、相棒。ありがとよ!
そう声をかけると、息子は嬉しそうに笑いました。何か話があったわけでもないし、遊びたかったわけでもなくて、ただこういう時間が必要だったのかもしれません。
「ゆめのせかいで魔法のやきにくをたべるんだ。」
そう言って目を閉じた彼の身体は小さくて、愛に満ちていました。
近々、焼肉をしよう。
何でもない夜。何物にも代えられない時間。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の一日の終わりが優しさを纏いますように。
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