上級国民と衆愚政治/貴族とは何か
民主主義国家において法の下の平等を謳われる国民でありながら、しかし広がり続ける格差社会の歪みから生まれた事件が後を経たない令和の世。
上級国民なる言葉は陰性感情を伴って散見されますが、果たして類義語のようにみえる「貴族」とは一体何だったのか。
此方の良著をサラっと振り返りたいと思います。
表舞台から姿を消した貴族は、しかし膨大な資金力をもって歴史の裏に存続していました。没落した家もある一方で、資本主義社会に適合し一層強い力を蓄えていった人々がいるのです。
そうした歴史ある元貴族と、新たに資金力を身につけた野心家たちは、政治の表舞台には現れずとも一般市民とは異なる世界を生きています。政治にはカネと人員が必要です。カネで買えない人員は、組織力がものをいいます。表向きには各政党の支持団体がこれに相当しますが、その中には当然宗教団体も濃厚に関わっていることがわかります。この構造は本邦に限ったことではありません。
かつてプラトンは、理想的な政治形態の対極に「衆愚政治」を定義しました。それは徳を失った愚かな群衆にる民主政治の失敗であり、ペリクレス死後のアテネの堕落を揶揄したものでした。
現代の日本はどうでしょう。
特権階級ともいえる非課税の組織の蔓延る社会。いつまでも是正されない経済格差は度し難い教育格差を齎し、存在しないはずの身分制度の影を感じます。肥大化した国家の主権たる国民は、はたして本当に私たちなのでしょうか。
必要なのは何か。
きっとそれは教育であろうと思うのです。
貴族制や独裁政治を肯定する意図はありません。
それらが耐え難い過ちを侵すことは歴史が証明しています。
しかしながら、今の民主政治の現実が最適解とも限らない。主権たる国民全体が賢くあらねば、暴走した国家はやがて滅亡に至るでしょう。
今が過去になり、歴史は未来を創造します。
一石を投じる日々、共に重ねて参りましょう。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、この国の未来が明るく優しいものでありますように。
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