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組み合わせ記憶のコツ 【実践記憶術】

 エスカレーターとエレベーター。
 どっちがどっちか分からなくなることがありませんか。

 似たような言葉や意味を組み合わせで覚えると、しばしば混乱してどっちがどっちか分からなくなるものです。

 「Bとb、Dとd」に苦労しませんでしたか。
 ローマ数字の「ⅥとⅣ」は4でしょうか6でしょうか。
 レントゲンの読み方で「シルエットサイン」というものがありますが、これが陽性なのか陰性なのか、研修医は高頻度に間違えます。

 何故こんなことが起きるのかというと、同時に覚えたことは脳内の回路も似たところに作られて、混線しやすくなるからです。記憶の回路は使うほど強固になって定着していきますが、2つセットで覚えたものを何回も思い出すうちに、2つの回路が同じように強くなっていって、ふとした拍子に混線してひとまとまりになってしまうことがあるようです。

 日常生活なら笑いネタで済みますが、試験を受けるとなると深刻な問題です。いったん記憶したものを訂正するのは難しくて、ああ逆だった、と記憶し直すと今度は「逆」というインプットが邪魔をして、正しい組み合わせを思い出したときにも「逆」と考えて余計に混乱してきます。

 どうすればいいのでしょうか。

 私はまず、片方だけ覚えます。

「箱が上下に動くものがエレベーター」
「Bの小文字はb」
「Ⅳは4」
「ふたつの影がひと塊に見えるのがシルエットサイン陽性」

 それを十分に記憶してから、もう片方の組み合わせを覚えます。すると脳内回路は先に覚えた方が強固になり、後に覚えた方がそれより弱い記憶になりますから、そこから先は同時に思い出しても強弱がついて混線の予防になります。

 コツは、睡眠を挟むことです。
 眠っている間に長期記憶が定着していきますから、これは主観ですが、記憶の組み合わせを増やすのは翌日以降にした方が効率と成功率が高くなる印象です。

 
 振り返ります。

①2つの組み合わせは、まず片方だけ覚える。
②寝る。
③よく覚えた後に、もう片方を覚えてみる。

渡邊流・実践記憶術


 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の心のエレベーターがどこまでも垂直に上昇しますように。


①ワーキングメモリを意識する

実践記憶術シリーズ


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渡邊惺仁
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