陰陽五行と五臓六腑の話/基本の解説
小難しい理論を極限までシンプルに記します。
東洋医学の理解には陰陽五行論が必須です。五臓六腑もコレに当てはめて解釈して、不調の原因を見極めて治療します。
陰陽五行論とは、万物を「陰と陽」に分類する陰陽論と、万物を五属性に分類する五行論が融合したものです。図解しましょう。
喩えば、木が増え過ぎると土が痩せます。火災のリスクも増えます。その土壌には水が溜まりやすくなり、ミネラルは減って鉱物は侵食されます。土壌を改善したいと思って耕したり肥料をやっても根本解決には至らず、木々を剪定したり伐採したりして適切な量に保つことで全ての問題が解決します。
ある属性が増減したときに、他の属性の増減はどるなるか。
図を見ながらスマホ画面を地面と並行にして、ちょいと傾けたときの高低が、それぞれの属性の増減に相当します。
さらに、ヒトを正面から見たときの解剖学的な位置に合わせるために、反時計回りにズラすと診療するときの私の脳内図が完成します。
私は診察しながらこの図を脳内で傾けて、病の原因と治療戦略を考えます。
東洋医学の五臓六腑は機能単位であって、解剖学用語とイコールではありませんから、それぞれの役割を端的に列記させていただきます。
なお、五臓六腑というのに六番目の「腑」がないというツッコミには、「三焦」という水代謝の器官が登場します。また心臓の冠動脈に相当する「心包」を含めて、六臓六腑というのが正確です。
心:司令官。血を巡らす。意識、睡眠、脳。
肝:調整者。気を巡らす。血を貯める。自律神経。
腎:教育係。水を巡らす。生命の根源。
肺:掃除屋。呼吸と免疫を司る。皮膚を制御する。
脾:補給隊。消化吸収役。胃十二指腸〜膵臓。
細かいことを挙げ始めると混沌としてきますから、ザックリこんな感じだと捉えていただけると幸いです。
どうにか800字以内に詰め込むことができましたが、分かりにくい部分は適宜お応えいたします。
拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。願わくは、今夜も美味しいものが、貴方の五臓六腑に沁み渡りますように。
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