「ハインツのジレンマ」への挑戦
先日の記事に「ハインツのジレンマ」に関するコメントをいただきました。かねてより関心のあるテーマでしたから、サラッと触れてみたいと思います。
『ハインツのジレンマ』とは、コールバーグの提唱するモラルジレンマの代表例のひとつです。原文は検索いただくとヒットするかと思いますが、要旨は下記のようになります。
コールバーグの意図としては善悪それ自体よりも、理由の部分の解釈によって道徳的な発達段階を分析していくことにありますが、そのあたりは流していきましょう。
さて、私の回答に進む前に、
貴方の思考は如何様でしょうか。
では、私の回答も書き殴ってみます。
【回答】
善であり悪である。そして悪を含む以上、社会通念的に悪と分類せざるを得ない。
【理由】
ハインツの善性は「妻の命を救いたい」という一点に限られる。それは純粋な心から発せられた感情であり、たとえ法を破ったとしても確信犯ならば彼の主観において彼は善である。
一方、これを合法的に叶えようと試みたが叶わず窃盗という強硬手段に出たことは、社会秩序を壊し得る度し難い悪行である。さらに薬剤師の心情や人生を鑑みると、これを著しく侵害する行為であるために、やはり悪であるように感ぜられる。そもそも薬の開発は容易ではない。死に瀕する人を回復せしめる薬など奇跡の類である。生産に200ドルかかり2000ドルで販売することは、開発までに費やした経費を想定すれば決して高額ではない。慈善事業で成り立つほど製薬は甘くないのだ。
ハインツには薬剤師側の視点が欠落しており、しかし薬剤師にはハインツ夫妻の視点が不足している。総じてハインツの行いは善であり、同時に悪であると考え、悪を含む善であるために、着地点は悪であると考える。
【自分ならどうするか】
窃盗の前に、業務提携を持ち掛けます。
例えばこのように。
正解のある問いではありませんが、考えてみるのも一興です。貴方の思考は如何様ですか。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方が思考の迷路に迷い込みませんように…。
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