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薬は減らすもの。

 医者にも色々居ります。

 病院と薬局が分離されるようになってから、処方する薬の種類や量が多かろうと病院の収益にはならない仕組みが整備されました。一昔前のように、薬をやたら出す医者は金儲けのためにやっているのだ…という主張は通りません。

 しかしながら、未だ無駄な薬を処方し続ける医者は大勢います。薬に薬を重ねて、通院先も薬の量も増え続ける高齢者医療界隈。あゝ悲しきかな。

 いったい何故、薬が増えるのか。

 ひとつの要因は、医者の自信の欠如でしょう。疑わしい病態に薬を乱れ打つことは誰にでも出来ます。不安だから、処方する。ありがちな罠です。診断の確信度に強弱をつけて戦略を立て、必要十分な治療を開始した後に如何にして其れを減らし止めていくのかという観点にこそ、プロと素人の差が如実に現れます。

 例えば抗菌薬の使い時や種類と期間の設定、ステロイド剤の種類や量や減らし方、挙げればきりのないほどに、適切な治療は正しい診断と共にあって、さらにセンスの有無が決定的差異を生み出す恐ろしい領域です。

 私の言えることは、患者自身の視点で医者を見極めて、コイツダメだと思ったらセカンドオピニオンや紹介転医を恐れないということです。今やインフォームドコンセントは医療界隈の常識であり患者の権利であって医療者の義務ですから、自分の受ける治療に疑問があったら質問すればいいのです。多忙な業務の中で対応の難しいタイミングもあると思いますが、しかし説明する姿勢を見せないようでは医者として危ういと感じます。コイツ全然話が通じねぇ…と思ったら、サヨナラする選択肢も考えてみること。それが双方に良い結果を生むかもしれません。そうして藪医者が淘汰されていけばいいなぁ、と、淡い期待を胸に秘めて。



 拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。願わくは、貴方の身体の舵取りを、貴方の意思で為せますように。


#エッセイ #医師 #呼吸器内科医 #漢方医
#業界あるある #仕事について話そう



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