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ハイボール 《詩》
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「ハイボール」
小さいけれど確かな幸せって
人は見逃してしまう
夏の夕暮れの風が心地良かったり
あの娘が笑いかけてくれたり
確か前に
私は不適切な人間だと
あの娘は話してた
其れは社会に対してであり
また自分自身の心に対して
上手くコントロール出来無いんだ
そう言って俯いた
居場所がわからないと
だったら此処に居れば良い
此処が君の居場所であり
僕の居場所だよ
そう言って笑った
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僕は人格にしても何にしても
もともと沢山の
問題のある人間なんだ
自分自身でわかってる
その問題を抱えた僕が
書いた文章には
やはり沢山の問題がある
だから誰かに違和感を持たれたり
後ろ指さされたり 仕方ないよね
だって其れが僕なんだから
君も君のままで居ればいいよ
何故、どうしてなんて聞かないから
ささやかな幸運が続く日もある
そして そうじゃない日も
角瓶で君が作ったハイボール
其れが美味しかった
柿ピーのピーナッツはいつでも君が
先に食べてしまう
小さいけれど
確かな幸せってあると思う
きっと僕等の直ぐ手の届く場所に
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