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僕らの旅路

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僕らの旅路という小説集。ある夜散歩していた僕は公園で一人の家出少女と出会う。そして僕はその少女と一緒に暮らすようになった。
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記事一覧

僕らの旅路17

「空、朝だよ」 気づくと、どうやら、綾が起こしてくれたようだった。シャっと綾がカーテンを…

seigo
2年前

僕らの旅路18

僕と綾って端から見たら何に見えるんだろう?やっぱり兄妹かな? 出発してから何時間か運転し…

seigo
2年前

僕らの旅路15 絵本を読んで

せっかく出会えた良き先生とすぐに別れさせるような事はしたくなかったので、いずれ旅立にせよ…

seigo
3年前
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僕らの旅路14 綾と空のこの土地での毎日

悪夢ハッと目を覚ますと夜中だった。昔の夢を見てしまった。あの忌まわしき実家にいた頃の夢。…

seigo
3年前
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僕らの旅路13 僕らの関係

初授業「じゃ、ここ訳してみて?」 「知識があった方がありとあらゆる場面で役に立つ。だから…

seigo
3年前
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僕らの旅路12 如月愛衣の辿った道

図書館での日々学校に行かなくなり、図書館で過ごすようになってから大体3年程が過ぎた。気が…

seigo
3年前
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僕らの旅路11 如月愛衣という女性

如月先生の初授業窓から差し込んでくる日光と共に目が覚めた。リビングへ行くとまだ綾は起きてなかった。歯を磨き、顔を洗って、リビングのカーテンを開けると暖かい陽の光が入ってきた。今日はいい天気だから公園に行きたいな。 綾が目覚めるまでソファに寝転がりながら芥川龍之介の文庫本を読んでいた。元々歴史学者を志していた彼の作品は歴史物や古典から題材を取った物が多い。短編や中編が多いから手軽に読めるところがいいところだ。30分程読んでいたがまだ綾は起きてこない。そろそろ朝食を作ることにし

僕らの旅路9 落ち着いた日々

この地に腰を落ち着けてはや一ヶ月。この間僕らは平日の昼間を狙って水族館や植物園で過ごした…

seigo
3年前
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僕らの旅路10 家庭教師との出会い

詩を書くようになって一週間が過ぎた。この間、僕は綾に褒められてその気になり、時々ブログに…

seigo
3年前
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僕らの旅路8 綾の幸せとは

そして僕らは旅に出た。新しいまだ見ぬ自分たちに出会う旅へと。 最初は旅館に泊まった。一泊…

seigo
3年前
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僕らの旅路7 旅

暑い日が続いた。だけどそんな夏も日一日と過ぎて行き気がつくと9月が迫ってこようとしていた…

seigo
3年前
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僕らの旅路6

僕のところへ綾がやってきてから2週間程経った。その間一緒に公園で遊んだり図書館で本を読ん…

seigo
3年前
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僕らの旅路5 綾の涙

帰りの電車の中で綾は疲れて眠ってしまった。隣の僕にもたれながら。その腕にはイルカのぬいぐ…

seigo
3年前
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僕らの旅路4 水族館へ

当日の朝「シャッ」とカーテンの開く音がした。2日目なのでさすがに誰が開けたのかはすぐに気がつく。案外綾は早起きらしい。僕はまだ眠いのでしばらく布団の中で微睡んでいた。しかし、昨日の約束を楽しみにしている綾は僕を起き上がらせるべく布団を引き剥がしにかかった。 「早く。水族館に行くの!」 「分かったよ」 顔を洗って歯を磨いて何とか目が覚めてきた頃には綾はすっかり準備万端で既にリュックを肩にかけていた。 「もう行くのかい?」 「そうだよ。空も早く」 僕としてはせめて朝ご