"トライブ"とは?
SEEDERでは、今後増えていくであろう考え方や行動を先取りしている先進的消費者のグループ=「トライブ(TRIBE)」を独自のアプローチで発見・定義し、未来洞察を行っています。定性的なアプローチでリサーチを実施・分析し、近未来の生活者動向としてデータベース化しています。このデータベースを用いたイノベーション支援が当社の強みです。
トライブデータはSEEDER独自の先進的な生活者の定性データです。他社では”特定の共通の趣味・好きなものをもつ集団”と定義しているところもありますが、弊社とは解釈が異なります。
3-5年後の未来を示唆する先進的な生活者
トライブとは、SEEDER独自の概念で、多くの人が現状に満足しているなかで、現状に満足せずに「もっとこうなったらいいのに」という 強い『義憤』を持っている生活者です。
彼らの価値観を深ぼることで、新規事業や新商品開発のヒントが得られます。3-5年後の未来を示唆する先進的な生活者であると考えています。
"義憤発想"が重要
よく商品や事業を作る際は顧客のニーズを考えようと言われますが、我々はニーズと義憤には図のような違いがあると思っています。
ニーズは「〇〇な商品が欲しい」「〇〇な機能が足りていない」といった現状の不足に対する欲望であり、既存市場・既存顧客における商品開発に活用できると考えています。それに対し、義憤は「なぜ〇〇ではないのか」「〇〇したくないのに」「もっと〇〇であるべきでは」隠れた前提に対する憤りであると考えています。この義憤は新市場・新顧客における新商品やサービス開発として顧客を想像できます。
トライブはこの「義憤を持っていて、独自のやり方で解決している」ことがポイントです。一般のプロダクトではないものを使い、独自のやり方で課題を解決しているトライブには、既存の市場にはないソーシャルインパクトの強いプロダクト開発が可能です。
トライブの例
例えばSEEDERが2015年に調査した「ドクターシューマー」というトライブは、「完全栄養食品などを活用して効率的に体調管理をする生活者」です。
元々はアメリカ西海岸のシリコンバレーのシステムエンジニア達が発祥でして、彼らは忙しい平日昼間の昼食にパソコンで仕事をしながらスナック菓子などを食べていました。しかしスナックなどでは栄養バランスが偏ってしまい体調を崩してしまうので、栄養を考えることも大事であるということに気がつくのですが、一方でランチタイムになったらオフィスを出て栄養を考えつつ手軽に高価でない食事を摂るのは知的リソースが奪われてとても煩わしいと思っていました。そこで開発されたのが完全栄養食で、仕事の片手間に手も汚れずにこれだけ食べていれば大丈夫という食品を開発して食べていました。この考え方に共鳴した日本の一部の若者が海外から取り寄せて食べていたのが始まりでした。
その後2022年にBASE BREADがファミリーマートに売り出されるようになり売上も10倍になったらしく運営会社は上場を果たし、今ではSNS広告などでダイエット食品として一般の多くのお客さんに訴求されています。
ちなみにドクターシューマーの人たちは食事に無関心なのかというとそうではなくて、忙しい平日の昼食のみ完全栄養食で効率的に済ませ、休日はその分の時間とお金をかけてこだわる昼食を摂るという傾向も見受けられました。そのインサイトからSEEDERは食事が「義務食」と「娯楽食」に二分化されてくるという未来を着想しています。
トライブレポートの構成
SEEDERが作成するトライブレポートは以下のような構成になっています。
①デスクリサーチ情報
トライブに関わる分野の重要概念や市場動向、最新のサービス事例などの情報をまとめたものです。
今回のトライブに着目した背景を含め、市場や社会の変化の兆しを記載しています。
②インタビューサマリー
トライブに実施したインタビューの発言で、特に重要な部分を抜粋したものです。
対象者からどうしてその発言が出たのかを、インタビューアーの質問を含め前後の文脈から分析することができます。
③トライブプロファイル
調査と分析の結果から明らかになったトライブ独自の価値観や行動をまとめたものです。
一般的な生活者とトライブの行動を比較することで、現在から未来への価値観の変化を明確に捉えることができます。
④未来の生活者行動
トライブの調査を踏まえて導き出された未来の一般生活者の行動の変化をまとめたものです。トライブプロファイルをより普遍化して捉え、トライブの持つ価値観が未来の生活者において一般化した状態を洞察しています。
⑤ビジネスアイディア(機会領域)
トライブ調査と未来の生活者行動変化仮説を元に導き出した社会の変化をビジネスの視点で描いたシナリオです。
未来の生活者に求められる、商品やサービスのアイディア、顧客体験のあり方などを記載しています。
⑥マイクロレポート
トライブの発言や行動といったFACTに基づいて彼らの哲学や考え方を分析し、INSIGHTとして言語化したものです。
実際にインタビューで観測した発言・行動であるFACT、FACTを精緻化したFINDINGS、そこに分析を加えたINSIGHTで構築されています。
⑦インタビューローデータ
トライブへのインタビュー全文の文字起こしデータももちろん付属します。
必要があればこのトライブデータをクライアント様と共同で作成し、未来洞察をしていきます。
よくあるご支援事例
ご支援させていただく形態について、幅広く実績があります。
想定している顧客セグメント・ペルソナもしくは新規プロダクトの事業領域におけるトライブ探索・デプスインタビューを経たインサイトを抽出し、レポートにまとめるトライブレポートの作成(上述)
トライブを活用した未来洞察手法のインプットのためのワークショップの企画・運営
トライブを活用したプロダクト・コンセプト企画
など、SEEDERは新商品 / 新規事業の開発フローのあらゆるフェーズにおいてご支援の実績がございます。まずはお気軽に、まずはご相談ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?