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"義憤発想"でプロダクト開発ができる

義憤とは

義憤とは、布令必用新撰字引(1869)では以下のように記されています。

道義にはずれたこと、不正なことに対して憤慨すること。

SEEDERでは、既存の商品・プロダクトに対して

  • 「なぜ〇〇ではないのか」

  • 「〇〇したくないのに」

  • 「もっと〇〇であるべきでは」

といった、隠れた前提に対する憤りであると考えています。

私は「怒り」「悲しみ」でないところもポイントであると思っていて、

憤り:心中もだえて、はけ口を求めている状態。自分の中に湧き上がった「怒り」の感情自体を指します。 腹を立てている気持ちに加え、「悲しみ嘆く」といった感情も込められるので、一層複雑な気持ちを表しています。

義憤とは、「どうしようもない怒りや悲しみを抱えている状態」です。

SEEDERは消費者のこの”義憤”を新商品 / プロダクト開発に活用しています。

「ニーズ」との違い

SEEDERが生活者を深く調べていく中で、生活者には「ニーズがある人」と「義憤を抱えている人」に別れることがわかりました。

ニーズとは

「〇〇な商品が欲しい」「〇〇な機能が足りていない」と言う現状の不足に対する、顕在化している欲望であると理解しました。

生活者のニーズを捉えることは既存市場・既存顧客における商品の改善に繋げることができます。それに対して、

義憤とは

先述の通り

  • 「なぜ〇〇ではないのか」

  • 「〇〇したくないのに」

  • 「もっと〇〇であるべきでは」

といった、潜在的な前提に対する憤りであると理解しました。結論を言ってしまうと、この義憤を深掘る事によって新市場・新顧客における新商品・新規サービス開発が可能になります。

どんな人が義憤を抱えているのか

義憤を抱えている人は、どんな人なのか。

SEEDERの調査では、現状の市場にあるプロダクト(商品 / サービス)では満足せずに、独自のやり方で自身の課題を解決している先進的な生活者が市場にいることがわかっています。

我々はそうした先進的な生活者を”トライブ”と名付け、時代の先端をいく彼らの義憤を深掘ることによって未来洞察を行っています。

先進的な生活者:トライブの事例

我々は発見したトライブにひとつひとつ名前をつけています。例をいくつかご紹介します。

ドクターシューマー

ドクターシューマーはSEEDERが2025,2016年に発見したトライブで「完全栄養食を活用し、効率的に体調管理をする生活者」です。

元々はアメリカ西海岸発祥のトライブで、仕事に忙しいシリコンバレーのシステムエンジニア達は、ランチに仕事をしながらスナック菓子を食べていました。しかしながらそれでは手が汚れてしまうのと、営業バランスが偏っていて体を壊してします。また栄養バランスを考えて、レストランに行き栄養のある・手頃な値段で・すぐに出てくる・そこそこ美味しいものを選んで食べるが彼らには”知的リソースを削がれる”とても面倒なことでした。

そのため開発された完全栄養食に、2015年当時、一部の日本のユーザーが共鳴した人が海外から取り寄せて食べるような少数派のものでしたが、

2022年は、日本全国のコンビニにまで並ぶようになり売上が10倍になったと言われ、開発していた会社は上場を果たし今ではダイエット食品として一般の多くのユーザーにど商品が普及しています。

1億袋を突破したBASE BREAD

ドクターシューマーの価値観の広まりと共に、SEEDERは食事体験が「料理の味を重視する食事」ひとつから「栄養と時間短縮を重視する、脳や体の機能を維持するための義務としての食事」と、「体験全体を重視してリフレッシュする食事」に分かれてくる未来を着想しました。

ネオノマド

ネオノマドというトライブも2016年(パンデミック前)に作成したトライブなのですが、このトライブは東京と地方の両方に生活拠点を置く2拠点(もしくは多拠点)生活者たちです。

彼らは日々の移動によって積極的に仕事から切り離されてた時間を確保する事によって、例えば往路ではニュースなどを読み仕事に関するインプットに充て、復路では仕事以外のことをインプットして柔軟な発想ができるよう頭をクリーンにしたり家庭や生活のための創造力を養っています。

ノマドワークはリモートワークが常態化した中で急な拡大を見せてきたライフスタイルの一つではありますが、一方でどこでも仕事ができるようになった社会で、積極的に他者に関与されない"出島時間"を確保しにいく欲求が生活者には増えてくるという未来を着想しています。

オンライン・フリマー

オンライン・フリマーは2016年時点で「先進的」と捉え定義したトライブです。彼らは「服・家電・化粧品などを購入する際に、売却値を考慮して消費を行う生活者」たちです。2016年当時は、メルカリを使う若者の一部だけに見られる行動でしたが、2022年現在は、一般の多くの人が売ることを前提とした消費行動を取るようになっています。

このトライブからSEEDERはものを購入するという行動は、所有している間の体験にお金を払っているという意味に変化していくと考えています。例えば上図の右側の例では、購入価格が¥10,000-のものを中古品売買サイトで見ると¥8,000-で売っている場合は「新品を買うことは、実質¥2,000-で所有することの体験を買えることになるので、それが経済合理性があるかどうか」で購買の意思決定を行っているというインタビュー結果です。

例えば車は「奇抜な色よりもありふれた色の方が売却の時に値段がつきやすいからシンプルな色のものを買う」という行動基準が昔から一部にはあったように、トライブの価値観は実は我々一般生活者も部分的・潜在的には感じていた部分であり、価値観の変化に伴い一般化してくる部分が多いにあります。

トライブから3-5年後一般化していきそうな価値観を抽出

トライブの価値観を浮き彫りにし開発するプロダクトに反映することで、3-5年後にニーズとして顕在化する新市場・新顧客の課題を解決するプロダクト開発をすることができます。

SEEDERには新規事業開発 / 新商品開発に必要なリソースを一気通貫でご支援できる体制が整っています。お気軽にお問い合わせください。

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