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SF思考で未来から逆算してみる【徒然読書52】

自分がどうなりたいのか、何をしたいのか何が得意なのか。

フロムの『自由からの逃走』やアーレントの「悪の陳腐さ」でも言及されているように、人間は自由の幅が広がるとどこかに選択をゆだねたくなる性質があります。

よく、○○さんがやっていたから、○○さんが言っていたからという責任転嫁が見られるでしょう。

それって選択基準を未来の社会、未来の自分にあてたら考え方が変わると思うのです。

一億総クリエイター時代なら、想像だけでも何かを成し遂げられるような見えない力が働きやすくなる。

何となくこの本を読んで漠然と思いました。


SF小説を読んだり映画を見たりすることは好きでしょうか?
『三体』、『スノウ・クラッシュ』、『一九八四年』、「E.T」や「スター・ウォーズ」とか。

私はあまり読んでいなくて、タイトルだけはわかるけど内容が分からない…というパターンが多いです。

一通り最後まで読んだのは、アーサー・C・クラークの『幼年期の終わり』、五代ゆうの『<骨牌使い>の鏡』ぐらい(SF…?)。

それも内容を話せるほど読んでいないです。

だけど、そのSF小説の考え方が今重要視されているのです。

実際名だたる有名人や起業家もSF小説を愛読していたという。

本書ではSF思考について、「SFみたいな架空の肩書きを生み出し、それを現実の仕事に接続していく視点」と述べています。

ここでの肩書は例えば「共感カウンセラー」など、異なる意味通しを組み合わせて生み出すタイトルのこと。

この視点が斜め上の未来を作るのに基盤となるのです。

1.ちょっとおかしな「未来の言葉」をつくる
2.ある一つの技術がとてつもなく進歩した世界をイメージする
3.いまと価値観やライフスタイルの違うキャラクターを生み出す
4.さまざまな立場の人間の視点から未来社会の仕組みを考察する
5.世界に現れる新たな課題と構造的に生まれるトラブルを検討する
p56

上で引用したのは「SF作家の思考法」。
本書では「SF編集者の思考法」「SF読書の思考法」も紹介しており、それらを組み合わせることで現在の延長上ではない未来を描いていくことができるとしています。

私が一番印象に残ったのは、「それによって新たに弱者になる人はどんな人だろう?」と考えるように、という一文。

未来は必ず素晴らしいものでみんなが笑顔になっているのではなくて、どこかで生臭い現実みたいな澱みもある。

それをも想像出来たら、バックキャストでいまを考えて「自分のキャリアの指南書」の手助けになるかもしれません。


SF思考のワークショップのやり方も書かれていたので、今度挑戦してみようと思います!

構想(という名の妄想)は無限大ですね。

実現可能とかありえないとかそういう常識にとらわれないで自由に想像を広げていく時間も面白いと思います。



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