本がたどった跡を追いかけてみると面白い【徒然読書41】
昨今では、数多の世界史に関する本が出版されている。
感覚としては大きな歴史としての全世界史と言うよりは、特定の分野に焦点を当てた小さな歴史が多くなっている気がする。
小さな歴史の中でも面白いなと思ったのが、こちら!
本書では、「奇書」を「数奇な運命を辿った書物」としてとらえています。
こんな方にオススメ!
14冊ものの奇書が取り上げられているなかで、興味を持ったのは、以下の2冊です。
①ルクレティウス『物の本質について』
②サンゴルスキーの『ルバイヤート』
物の本質について、は「物理の教本と人生論を合わせた啓蒙書のような書籍」でありルクレティウスがエピクロスの思想を残した本です。
驚くべきことは、紀元前1世紀にして、原子論の嚆矢が見えるのです。
またエピクロスの快楽主義は、死んだ後の救いを求めるのではなく、現在を楽しく生きるというものでしたが、これは宗教改革前夜の時期は異端とされました。
この異端とされた本が、マキャベリ、ガリレオ、ニュートンに読まれるようになるには偶然の積み重ねと「発見」した人々の尽力によるものでした。
②『ルバイヤート』自体はウマル・ハイヤーム(1048ー1131)というセルジューク朝時代の人物が書いたと言われる詩です。
彼は博識で大賢者と呼ばれていたぐらいでした。
サンゴルスキーとは何かというと、20世紀英国の装丁店の名前です。
『ルバイヤート』の外装を担当し、この世で一番美しい本といわれていました。
しかしながらこの本をめぐって、数奇な出来事が起こるのです。
タイタニック号で沈み、製作者は不審死し、複製も紛失する…
現在は復元され、大英博物館に保管されているそうです。
美しすぎると不思議な力が働くのでしょうか…?
『奇書の世界史』をきっかけに、『物の本質について』『ルバイヤート』の内容を読んでみたいと思ったので、早速ポチってみました。
教科書では学べない面白い歴史を知れますので、ぜひ手に取って見てください。
ここまで読んでくださりありがとうございました!