Turn.13『一生の思い出と後悔の話』
平成30年の頃。
この時期から自分は様々な場所に目的を持って移動し始めます。
母親が家を留守にするので、その時期にダブらせて自宅を出て夜行バスで日帰りとか。そんな感じの事をし始めた矢先の話になるのですが、少し不穏な噂が流れ始めます。
立山黒部のアルペンルート、長野県の扇沢から富山県の黒部ダムまでを運転する『トロリーバス』が電気バスに転換されるというニュースです。
この情報を聞いて、自分は母親に
「長野県に行きたい」
と伝え実際に決行します。
その中で、扇沢から黒部まで乗車するトロリーバスに乗車するかしないかを言い争った思い出もありますが、2,500円程度の料金…での乗車は今となっては良い思い出です。ただしかし。ここに問題があります。
トロリーバスには母親との会議でなんとか乗車に漕ぎ着けます…が。肝心のトロリーバスの乗車場所を間違えたんです。もうこれ一生の思い出なんですよね。
少しだけ解説が遅くなりましたが、この『トロリーバス』という交通手段は『バス』という単語を含んでいますが正式には『自動車』ではなく『鉄道』に分類されます。
なぜ『鉄道』なのか、と言いますとこのバスは電気を架線からトロリーポールによって集電し、その集電した電気で走行しているからです。
なので実際に加減速する際や走行する際の動力は『電気』で動いており、エンジンは使用していません。その為、電車のような音がバスから聞こえるという不思議な現象が発生します。
逸れてしまいましたので、話を戻していきましょう。
大阪から夜行バスに乗車し、長野へ。
長野からは路線バスに乗車し、高校生の寒天少年は長野県の山奥である扇沢に到着しました。
ここで、ようやくトロリーバスと対面するのですが何を思ったのか自分、
『1番前』
に乗車するんですよね。
トロリーバスに乗車する、というのであれば
『鉄道らしさ』
を強く感じられる最後部の座席に着座し、加減速の電車らしいサウンドを聴くべき…だったんですが、この時の自分は勢い余って最前部で動画を回していました…。
電車らしい加速音は遠い彼方から聞こえる程度で、全然音が入りません。当たり前だわな。
さて、写真の解説です。(遅くなりました)
写真は終点の黒部ダムにて。
入換?だったか、扇沢への折り返し運転に備えている時の写真だったように思います。
この写真を撮影する為だけに2,500円払ったようなものですが…また悲劇が発生しています。
京都に帰ってからの話になりますが、この時の乗車券を失っています。
『さよならトロバス』
とロゴの入った貴重なモノだったハズなのに…
ドンくさい事しかしてないですね。笑
黒部から扇沢までの帰り道も1番前に乗車。
この帰り道の乗車でこそ、もう1つの鉄道らしさを知る為に1番前に乗車するのがある意味の基本になってくるのですが、本当に何してたんだろう、自分…
写真の車両、関電300形は最後の扇沢↔︎黒部の輸送に従事したトロリーバスでして、現在は保存車が1両だけ信濃大町方面におります。
トロリーバスといえば京都市民にとっても大きな意味を持つ交通手段でありまして、かつては四条大宮から梅津を経て松尾橋まで運転されていました。
現在では全然名残がありませんが、知る人ぞ知る何かとして語り継がれています。
自分は長野県での体験だけで精一杯でした。これ以上は触れない交通手段でしょう。
鉄道ではないような鉄道の話を掲載して、この1,400字近い話を終了しようと思います。
トロリーバス、皆さんも調べてみて下さい。
結構面白い交通手段です。