映画「桜色の風が咲く」日本語字幕付き・バリアフリーはまだ足りていない。
映画『桜色の風が咲く』
前評判を一切入れず、先入観なしで観に行った。
ここ最近で観た映画の中でも、かなり良かった。
主人公の福島智さんは、私の従姉妹と東京の盲学校で同級生だった縁があり、従姉妹から福島さんのお噂をかねがね聞いていたので、私にとっても友人のような親近感がある。
もちろん福島さんは私のことを知らない。
時々聞く、有名になると親戚・友人が急に増えるというアレにちょっと似ている。
映画の中で、増田という女の子が出てくる。(作中ずっと『増田』と呼ばれているので、あえて増田と書く)
増田は、私の従姉妹がモデルになっている。
増田が登場した瞬間、似てる!と思った。
俳優さんの顔や雰囲気、なんか似てる。
すごくいい役だな、としみじみ思った。
この映画は、耳の不自由な人も観られるよう、日本語字幕付きがあり、私はせっかくなので、字幕付きで観てみる事にした。
割とよく映画は観る方で、これまで何も思わずに観てきたけど、日本語字幕付きは思ったよりもずっと素晴らしい事だった。
テレビのバラエティなどでよく見るテロップとは違い、今誰が話しているのか、音楽がかかっているのか、画面に映っていない車や波の効果音などが、映画を邪魔する事なく上品に字幕として入っており、分かりやすくて見やすかった。
字幕のクオリティがこんなに高いのなら、一部の映画だけでなく、全ての映画を字幕付きバージョンと字幕なしバージョンの両方で上映したら良いのになぁ。
総制作費○億円!とか予告で大々的に叫んでいるので、予算的にも字幕分くらいは捻出できそうだ。
字幕付きの回は結構人が入っており、そこも問題なさそうだ。
ちょっと話は逸れるけど、視覚記憶型と聴覚記憶型の人がいるようで、
私は典型的な視覚記憶型人間だろう。
「まばたきシャッター」と呼んでいるのだけど、新聞なりホワイトボードなり、
見たものをカシャっとマバタキでカメラのシャッターのように記憶する。
私の場合、まばたきシャッターの精度がやや雑で、記憶間違いや誤差があるのが困った所である。
聴覚型の人は、文字を目で追うよりも、読んでもらうか話してもらう方が記憶に残るらしい。耳で聞いた事を記憶する能力がどこかにすっ飛んでしまったので、聴覚型の人が信じられない。
つまり視覚型の私は、耳は不自由ではないけれど、耳から聞いて覚えることが不自由なので、日本語字幕付きがとても良かったのだと思う。
映画の内容が素晴らしいのはもう知られているので、それ以外のことでいうと、福島智さんの子供時代を演じている子役の可愛らしさにびっくりした。
それから、リリーフランキー演じる医者が超絶イヤなヤツだった。
エンドロールは辻井伸行のピアノソナタ第8番悲愴が柔らかく静かに流れていた。