『世界史が苦手な娘に宗教史を教えたら東大に合格した』を息子に勧めたけど読まないので親の自分が読んだ
宗教学者・島田裕巳さんが書いた『世界史が苦手な娘に宗教史を教えたら東大に合格した』。以前新聞の書評で読んで興味を持ち、高校生の息子に勧めてみた。東大など難しすぎて志望の候補にすら入らないけれど、社会の受験科目を世界史にしたというので、参考になるのではないかと思って。
ところが、夏休みがもう終盤に差し掛かろうというのにまったく読む気配がない。まあ、この年頃の子どもは「親に勧められた」というだけで読む気を削がれてしまうのかもしれない。
せっかく家にあるのにもったいないので、私が読むことにした。著者の島田さんが子どもに語りかける文体でつづられている。期待どおりの、しっかりとした内容とわかりやすさ。私には、キリスト教などの一神教と仏教の特徴の違いが書かれた箇所が興味深かった。
たとえば、一神教では唯一絶対の神のことばがもっとも重要なのに対して、仏教で大事とされるのはブッダが悟りを開いたという事実で、悟りがどういうものかということについてはひとつに決まった何かがあるわけではない、といったことが書いてあるところなど。
大人が教養として読んでも興味深いけど、受験用の世界史を学ぶ骨格にもなるものだと思う。もう一度息子に声をかけてみよう。