限界に挑戦する「経験」に投資する
経験は、物質的なものよりも私たちを幸福にしてくれる。なぜならそれは、経験を通じて人とのつながりをダイレクトに感じとれるから。このセオリーを実証した有名なプロジェクトがある。
「鉄人と燃える男たちのレース」と呼ばれる英国特殊部隊によって設計された障害物競走、「タフ・マダー・レース」は、よく見かける「軟弱なマッド・ラン(ぬかるみを走る障害物競争)レース」ではない。体を張って参加する男や女たちの究極のサバイバル・レースだ。
参加者たちは、Tシャツやタトゥーなどの装備一式で、自分がこのレースの参加者であることを誇示する。そして、ヘッドバンド。ランナーにはメダルではなく、オレンジ色のヘッドバンドが贈られる。
レースの次の日もそれを身に着けることでバトルに挑んだことを示し、道や地下鉄で、タフ・マダー仲間に出会ったら、うなずき合ったり、ハイタッチをしたりする。
この絆。この連帯感。
このレースの創始者はハーバード大学MBAを取得したウィル・ディーン。
彼はこの、同じ経験をした者同志のつながりがビジネスになると考えた。
そしてそれは想像以上に大ヒットした。
今の時代、人が求めているのは、過酷な経験を共にする同士であり繋がりなのだ。
わたしがこのレースのことを知ったきっかけは、参加者の一人の女性が、わたしの事業である「スクーンカップ 」に寄せてくれたメールがきっかけだ。
スクーンカップ は生理用品で、生理体験をラクに快適にする、という「経験」を届けるツールだ。
その女性はたまたまレースの日程と生理日が重なってしまったけれどスクーンカップ のおかげで「難なく」レースに乗り切れたと教えてくれた。
「スクーンカップ 」もモノとしての商品を売るのではなく、生理体験をラクに快適にする、という「経験」を届けることをブランドのカナメとしている。
そしてスクーンカップ というツールを通じて、やりたいことができ、「自分がなりたいと思っている自分像に密接に結びつく経験」が得られるなら、こんな嬉しいことはない。
モノにお金を使うよりも、「経験を買う」。そんな考え方や生活スタイルへとシフトしている傾向が世界的に強いという。
それを如実に表しているのが、これらのような、仲間との「経験マーケティング」のパワーだろう。
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