【子供に勉強させたいなら、ご褒美で釣ってはダメ:外在的報酬と習慣化】
自分の筋トレだろうと、子供の勉強だろうと、「習慣化させたい」と願うなら、約束してご褒美をあげてはいけない
この研究では、6ヶ月間のダイエットプログラムに参加してもらい、前回測定より4ポンド(約1.8キロ)減っていたら、100ドルを与えると言うものである
※参考文献
acpjournals.org/doi/abs/10.732…
「ダイエットもできて、お金も貰えるなら絶対成功するだろ!!」
と思うかもしれない
実際に被験者は平均体重95キロというのもあって、毎月の測定で減量に成功していった
最終的な6ヶ月後の減量平均も5ポンド(約2.3キロ)と、一定の効果があるように見えた
そう
見えただけ
このダイエットプログラムでは、比較対照群として報酬が全くないグループも同時に行って、平均で1ポンド(0.5キロ)減量していた
「ほら!やっぱり報酬が成功じゃないか!」
と思うかもしれない
この研究では、プログラム後も3か月間調査しており、その結果が人間の本性を教えてくれる
平均体重95キロの肥満体型で、ダイエットプログラム後も減量を継続する必要がある人たちでも
“報酬ありグループは体重がどんどん戻り続けていた”(元の体重と900グラムしか変わらないほど戻っていた)
しかし
“報酬が無かったグループは、あまり変わらなかった”
これはどういうことか?
まず注目しなければならない事として、この研究では“健全な食習慣や運動の指導がされていない”フリーのダイエットプログラムであったこと
つまり
習慣化で必要な[繰り返し]と[報酬]が適切に行われていなかった
そのため、報酬グループのほとんどの人が月末の測定直前だけ、断食など無理なダイエットをした、強制的な減量を行っていた
お金が欲しいから「減量さえすればいいんだろ?!」と考えていたそうだ
これまで僕の習慣化の記事を読んでいる方なら理解されていると思うが、直前の断食が習慣化される訳がない
つまり今回の報酬は、状況と反応の結びつきを脳内で固める役割を担えなかった
その結果、新しい習慣形成にならず、プログラムが終われば、ダイエットも自ずと終わってしまう
※参考文献
behavioralpolicy.org/wp-content/upl…
確かに行動経済学的には、何かご褒美をエサにモチベーションを上げることは有効かもしれない
しかし
[習慣化]という今後もずっと続けてほしい行動に限っては、どれだけ報酬を大きくしても習慣化にはならない
まぁ報酬をどんどん大きくしていって、永遠に報酬を出せるなら別だろうが…
ここまで話して
自身のダイエットや筋トレ、資格勉強
子供の勉強へのご褒美などを考え直してみてほしい
その時だけ頑張って欲しいのか?
ご褒美がなくても頑張って欲しいのか?