【[初めての行動・習慣行動]の脳の動き】
自己を認識する上で、神経系レベルで見るほど精度の高いものはない
そのためfMRIで脳のどの神経領域が活動しているか見定めることで、バイアスを排除した本当の自己を知ることができる
今回はは習慣と脳の動きについてだが
習慣のはじまり方のほとんどは[報酬]に起因している
そしてその報酬に関する学習は[大脳基底核](大脳皮質と視床、脳幹を結びつけている神経核の集まりで、運動調節、認知機能、感情を調節を行う)と呼ばれる神経領域が関係する
(※画像診断まとめ脳神経より)
【fMRIを付けた状態で、“初めてのことを行う”とどうなるのか?】
初めての行為では「連合系ループ」としてしられる神経回路の活動が、もっとも活発になることが確認される
※参考文献
(※ニューロリハビリ研究所より)
これには大脳基底核の一部である[尾状核](尾状核は、大脳の深部に位置し、運動制御、認知機能、学習、記憶など、さまざまな機能に関与する)さらには[中脳]と[前頭前皮質]が関与している
これら3つの領域は実行制御を司っていて、ここを沢山使っている人こそが《習慣化の達人》と言える
同時に、この領域をよく活用する(習慣化)人ほど、無駄な脳の労力を使わないため、仕事などで高い成果を上げやすい
【今度はfMRIを付けたまま、習慣的な作業をするとどうなるのか?】
同じ行動をルーティンのように繰り返すと脳の機能の仕方が変わり、「感覚・運動系ループ」の活動が活発になる
これにより大脳基底核の[被殻]と呼ばれる部位が[感覚運動皮質]と中脳の一部に繋がり「感覚・運動ネットワーク」を形成する
※参考文献
要は、とる行動が変わり、脳の配線がリワイヤリング(再接続)されるということ
面白いのが
傍から見ている人からすれば、初めてその行動をとったときと、していることは変わらない
だが、脳は最初のときとは異なる神経回路を使い始めている
つまり、fMRI付けて、同じ行動させれば、それが初めてなのか、初めてじゃないのかぐらいほぼ分かってしまうため
裁判で、「やった!」「やってない!」などと不毛な戦いはいらなくなる
戦争し武器開発している暇あるなら、車の全自動化やfMRIの裁判導入を個人的には頑張ってほしい…
話しを戻すと
脳がリワイヤリングされると、過去に行ったことを簡単に繰り返せるようになり、自動的に反応して意識的な判断が不要になる
この脳の反応は、“哺乳類の生き物すべてに共通するもの”で、犬もクジラもラットも行動に報酬が付随することを学習しながら成長していく
脳内の神経回路は、報酬から学習するのとにたような形で構築され、十分に繰り返せばどんな哺乳類も“状況と報酬”を得られた反応を習慣に関連付けられるようになる
つまり!!
人間には出来ない「一部の脳内領域を機能不全」にして様々な反応実験をラットを代替にして行う事ができる
同じ哺乳類のラット様様様様のお陰で、ヒトの便利さや、日々処置してもらっている医療行為が成り立っているのだ
具体的なラット研究で言うと…
脳の背内側線条体周辺を損傷させると、報酬を得られる行動の学習が難しくなる
その損傷させる部分は人間の脳でいうと[前方の尾状核]に似ている
※参考文献
その領域に損傷を受けたラットは、ケージの中のレバーを押したり(※過去記事参照)、迷路内で特定の角を曲がってエサを手に入れる学習能力が衰える事が確認されている
※参考記事
一方で脳の別の部位を損傷させると、まったく違う影響が見受けられる
これは人間の脳の[被殻]に相当する部位で、迷路やレバーを何度練習しても、ここを損傷したら、身につけた習慣はもう活用できない
この種の実験からわかるように、かつて脳は謎に包まれていたが、ラットのお陰で大きな進歩を遂げた
とは言っても、「人間の脳の◯◯」みたいな言い回しをしている通り、人間とラットの脳は全てが同じではない
人間は進化の過程で、「話す・振り返る・思い出す・計画を立てる」という脳領域が生まれた
現段階の研究では
ラットと人間の「計画を立てる」を比較ができないが、「習慣を学習する」という点などでは比較できる