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『一般人間学』アプリ読み上げ、レーバー先生要約、森章吾まとめ

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2020年5月の記事一覧

『一般人間学』テキスト販売

ルドルフ・シュタイナー著、『一般人間学』の翻訳テキストをPDFとKindleの2通りの方法で販売しています。このテキストは、読み上げにもほぼ対応しています。(推敲のヴァージョンはPDFが最新です)。

■ PDFファイルのDLによる各自の印刷、売価 800円、ただし事前にKindle版をお買い上げの場合は400円です。
PDF ファイルはここにあります。

■ 送金方法は以下の3通りです。
- P

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『一般人間学』第01講まとめby森章吾



■ 第01講全体を貫く視点第01講は序論として、教育を霊的世界との関連で捉え次のような内容を語っている。

・この教育が霊的視点から物質主義を超えていくものである点
・教育行為を霊界と結びつけるためのマントラ
・ヴァルドルフ学校設立者エミール・モルトに働きかけた霊への感謝
・霊的歴史観からの教育への問題意識
・死後を意識するか、誕生前を意識するか
   胎教は無意味
・誕生前の人間存在、誕生、

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『一般人間学』第02講まとめby森章吾



■ 三つの魂的活動、思考(表象)、意志、感情の特徴づけ(01~09)第09段落までの内容をまとめると次のようになる。
・教育には適切な心理学が必要
・アントロポゾフィー的心理学の基礎は、思考(表象)、感情、意志
・表象は像的であり、誕生前の活動を反感によって弱め写している
・意志は萌芽的であり、死後、共感により展開する
・感情は魂内の意識されない共感と反感のせめぎあい

言葉でまとめるとこれだ

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『一般人間学』第03講まとめby森章吾



■序のコメント、低学年教師について低学年教師は低位に見られるが、本来は同等の地位である。いずれにしろ本質的な事柄は認識している必要がある。

■認識への障害心理学は霊を考慮しないことが問題。ミュラーは「エネルギーは他の種類に変換する」と述べた。その本質を無視し「エネルギーは不変」としてしまったことで真の認識が妨げられる。

■自然との二面的かかわり自然とは人間は二面的にかかわっている。
 ・認

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『一般人間学』第05講まとめby森章吾



■表象と意志の対極について

思考(表象)と意志は対極ではあるが、両者は互いに混ざり合っていて、機械的に《対極》と割り振ることはできない。

■感覚には意志と認識の両方があるたとえば視覚では、共感・反感、つまり神経的なものと血液的なものの両者があり、バランスが取れている。神経系=網膜、血液系=脈絡膜

人間の眼と動物の眼 動物の眼はずっと共感的で、剣状突起などの血液的器官が発達している。逆に、

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『一般人間学』第06講まとめby森章吾



■ 思考・感情・意志を霊的に見ると魂界の基本的な諸力が《共感》《反感》であったのに対し、霊界での重要な視点は《意識段階》である。この第6講を語るにあたり、シュタイナーは7つの意識段階(後述)をイメージしつつ、まず思考、感情、意志を位置づけている。 第01~19段落の内容をまとめると次のようになる。

思考 : 目覚めた意識
感情 : 夢的意識
意志 : 熟睡的意識

しかし、意識段階にはもう一

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『一般人間学』第07講まとめby森章吾



■第07講の要点-方法論的な内容方法論1.魂的考察は共感・反感の観点から、霊的考察は意識状態の観点から観察する。
方法論2.基本的な方法論は「事実と事実を結びつけること」である。ただし、霊的&魂的事実も含める。
方法論3.言葉による概念ではなく、事柄に沿って見る必要があり、事実を相互に関連させる必要がある(18)。
方法論4.ベネディクトの例:論は間違っていても正当な観察をしている可能性はある

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『一般人間学』第08講まとめby森章吾



■「意識的な想起」を育成しないと生涯ぼんやりした人間になるこれも睡眠・覚醒と忘却・想起の類縁関係から理解できる。
睡眠不足だと自我が過敏に、つまり自我が弱くなり周囲からの作用に翻弄される。
意識的な想起ができず、「思い出さされている」状態だけでは生涯ぼんやりした人間になる。
したがって主体的想起を目指した教育が必要である。
ところがこれは容易ではない。なぜなら想起には子どもの眠った意志力に働き

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『一般人間学』第09講まとめby森章吾



■序:簡単なまとめ真の智から教育的本能を育てる必要がある。

 ▲ 重要な視点魂 : 共感・反感
霊界: 睡眠、夢、覚醒
体 : フォルム

 ▲ 年齢段階での特徴0~ 7歳:模倣
7~14歳:権威
14歳~ :自分の判断

■論理の三段階論理の三段階は《結論》(結び付けること)、《判断》、《概念》からなる。ルドルフ・シュタイナーは概念形成が人間物質体にまで作用を及ぼすことを伝え、概念

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『一般人間学』第10講まとめby森章吾



■身体を球の変形として見る球を基本形態として考えると、人間の身体は次のように捉えることができる。

頭部:完全な球
胸部:一部が可視な球(三日月)
四肢:差し込まれた半径

頭部が球という点は誰もが納得するだろう。球を描き、そこに下顎骨を描き加えると正面にしろ横顔にしろ頭部を描ける。
胸部が三日月形という点は「そう見えなくもない」という程度かもしれない。しかしこの形態は、感情や夢のあり方、

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『一般人間学』第11講まとめby森章吾



■頭部、胸部、四肢の覚醒・睡眠状態人間の三層構造の視点で子どもの成長を観察すると、その完成度と目覚め度がしだいに変化していく。幼児を観察すると、頭部は完成度という点ではかなり高いレベルで完成しているのに対し、目覚め度をみるとそこはまだ眠った状態である。それに対し四肢は未完成ではあるものの、頭部に比べれば目覚めている。
乳児、幼児、7歳以上、12歳以上の子どもでの頭部、胸部、四肢の目覚めの様子を

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分析的悟性と統合的理性、アントロポゾフィーの認識法

■認識のために必要な分析作業完全なる認識のためには、次の2つのステップを踏む必要がある。

細部に分け、その細部をしっかりと意識化しながら、検討していく
細分化された部分を全体に統合していく

これはルドルフ・シュタイナー著『ゲーテ的世界観の認識論要綱』の第12章、「悟性と理性」で述べられている。つまり、はじめに悟性によって現象を分析する。ただ分析によって第一印象的な《調和》が失われるので、心情的

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『一般人間学』レーバー要約解説、01講

元シュツットガルト・シュタイナー教員養成ゼミナール長、シュテファン・レーバー先生による要約

■ 基礎づけ:霊界とのつながりは新たな教育の前提条件(1~2)▲《主知的・感情的とモラル的・霊的》-物質主義と霊学(1)
開校に当たっての祝祭的な言葉の後シュタイナーがまず語ったのは、これから成されようとしていることが、どれほど偉大な関連の中にあるのか、ということだった。そこでの課題は、単に《主知的・感情

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