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学校統廃合問題

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2022年3月の記事一覧

【vol.25】最終回 住民自治と行政、学校統廃合の本来のあり方

【vol.25】最終回 住民自治と行政、学校統廃合の本来のあり方

◆はじめに 8か月間にわたる連載となった「学校統廃合」シリーズも、25回目となる本記事で最終回を迎えます。

 改めて振り返ると、この連載では学校統廃合に関する基本事項(【vol.2】【vol.3】など)のみならず、市町村合併(【vol.9】)や教育委員会制度改革との関連(【vol.10】)など、幅広いテーマを扱ってきました。

 なかでも【vol.13】以降は福山市の「学校再編」について詳細な分

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【vol.24】全体を通した住民の論理

【vol.24】全体を通した住民の論理

◆はじめに これまでの記事では、第Ⅰ段階から第Ⅵ段階までの行政側の論理を扱ってきました。今回の記事では、福山市の学校再編問題全体を通した、住民の論理についてまとめます。総じて見ていくと、住民の論理は行政の論理の移行に対応はしながらも、行政の論理とは異なり、時期ごとに変わることなく一貫した論理が展開されていることがわかりました。

 そこで、本稿では第Ⅰ段階から第Ⅵ段階をまとめ、「地域」「教育」「行

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【vol.23】「適正化計画(第1要件)」に関する行政の論理

【vol.23】「適正化計画(第1要件)」に関する行政の論理

◆はじめに これまで確認してきたように、2021年10月28日に山野学区の学校再編が「決定」されたことにより、福山市では、「適正化計画(第1要件)」で策定された再編計画が完遂されたといえます。改めて再編の経緯を確認すると、「イエナプラン教育校」や「特認校」の設置など新たな取り組みも見られましたが、結局は「適正化計画(第1要件)」で書かれていたことが実行されただけに過ぎないということがわかりました。

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【vol.22】福山市のイエナプラン教育校と特認校が抱えているこれだけの矛盾

【vol.22】福山市のイエナプラン教育校と特認校が抱えているこれだけの矛盾

◆はじめに 前回の記事に引き続き、今回も、「行政側」の論理の全体像を明らかにしていきます。

 前回は、「小規模校を統合したい」という側面に注目した行政の論理を概観しました(リンクはこちら→【vol.21】全体を通した「行政側」の論理とは)。

 福山市は、基本的に「福山市学校規模・学校配置の適正化計画(第1要件)」(2015年8月)で示した方針を現在まで貫いてきました。それは、「(学校統廃合がで

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【vol.21】全体を通した「行政側」の論理とは

【vol.21】全体を通した「行政側」の論理とは

 今回は、改めて行政の動きだけに注目し、その論理の変遷を確認します。さっそく、「第Ⅰ・Ⅱ段階」、「第Ⅲ・Ⅳ段階」、「第Ⅴ・Ⅵ段階」の大きく3つに分けて整理していきます。

◆第Ⅰ・Ⅱ段階 ここでは、第Ⅰ・Ⅱ段階の行政の論理を整理し、学校再編は当初どのような目的で行われたものであったかを見ていきます。また、2015年8月に策定された「適正化計画(第1要件)」によって市行政の論理がどのように変化し、そ

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【vol.20】地域説明会・開校準備委員会の経過(時系列で整理)

【vol.20】地域説明会・開校準備委員会の経過(時系列で整理)

 これまで、全6回にわたって福山市学校再編について分析してきました(各記事のリンクはこちら→第Ⅰ段階(2012年2月~)、第Ⅱ段階(2015年8月~)、第Ⅲ段階(2016年9月~)、第Ⅳ段階(2018年4月~)、第Ⅴ段階(2019年2月~)、第Ⅵ段階(2020年2月~))。

 ここで、各学区で行われた地域説明会と開校準備委員会を時系列で整理していきます。

 福山市教育委員会は、「適正化計画(第

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【vol.19】第Ⅵ段階 学校再編の決行(2020年2月27日~現在)

【vol.19】第Ⅵ段階 学校再編の決行(2020年2月27日~現在)

◆はじめに 今回は、内海・内浦学区の学校再編が「決定」された2020年2月から現在までの期間を扱います。この第Ⅵ段階では、市行政によって学校再編が「決定」され、具体的に学校規模適正化が実施されていきました。

◆第Ⅵ段階の概要 はじめに、第Ⅵ段階の概要を述べます。

 前回の第Ⅴ段階では、最後の2020年2月27日の「内海説明会」において、内海・内浦学区の学校再編が「決定」されました。第Ⅵ段階では

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