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SF好きの私に一生続く影響をもたらした大学時代の3つの授業のハナシ-【3】英米哲学講義

皆さんこんにちは、
SF考察やSF名作レビューなどをしております
ヤシロと申します。

今の私を形作っている大学時代の思い出の講義について、先日から語らせていただいております。

それは、いっけんSFと関係ないようで実は関係あるw、以下の三つの授業でした。

ロシア文学史
モダニズム芸術史
英米哲学講義

前回の記事ではモダニズム芸術史の授業の思い出を語りました。

↓↓↓

今回は、3つ目に挙げた「英米哲学講義」の思い出を語りたいと思います。

ただし、このテーマは、語りにくい!私の印象ですが、たとえばnoteで哲学の本について話をした場合も、ニーチェとかハイデガーとか、フーコーとかサルトルとか、まあすなわち、ドイツとフランスの哲学者の知名度がどうやら日本では圧倒的っぽい!

英米哲学って言われても、

ピンとこない人も多いのではないでしょうか?

実は私も、大学で「なんとなく面白そう」というくらいの気持ちで、『英米哲学講義』を取るまでは、アメリカやイギリスの哲学者なんてちっとも思いつかなかった。

しかし、今は、こういえます。

SF好きな人には、きっと、ハマる人は少なくないのではないか、と!特にイギリスですな。

ニーチェやらハイデガーみたいに、「実存とは何か!」とか「存在とは何か!」みたいな、純文学寄りのテーマは少なくて、

「現実と幻想を区別する決定的な方法はあるのか?」「帰納法はそもそも成立するのか?」「人間精神は機械に置換可能か、それとも機械に還元できない『なにか』が残るのか?」「『この文はウソである』は、真なのか偽なのか」とかいった、論理パズルみたいなネタをめちゃくちゃ好むところがあります。

バカバカしそうに見える?

私も最初はそう思ったw。

けど、やってみると、わかってくる。たとえば「『この文はウソである』は、真なのか偽なのか」みたいな論理パズルみたいなハナシでも、深掘りすると、まさに「私とは?」「生きるとは?」「世界とは?」「この世における善とは?」みたいな、誰でも一度は思い悩む問題に、ちゃんとつながってるw。

ただ、

そういう「誰もが悩んでいる大問題」にストレートに入らず、いっけん突飛な思考実験から入るところがある。

でも、やればやるほど、私なんぞは思うたことですが、

突飛な設定をおいて、それを通じて、しかし、最後には誰もが知ってる大問題についての思索を深めるって、、、それ、まさにSF文化じゃない?

そんな英米哲学、どんな名前があるのかというと、

特に最近は「心の哲学」とか「言語哲学」とか、「AI問題」とかに絡んで、英米哲学系もなかなか華々しくなってきていて、とてもここでは書き切れませんが。

ただし、古い人で一人、日本では知名度はイマイチだが、私が「英米哲学講義」なるものを教わっていくうちにもはや圧倒されたほどの、強烈な存在感を持つ方の肖像画と名前を、あげておきましょう。

たしかに、言われてみれば、

かのカントも『純粋理性批判』の最初のほうで「私はヒュームを何とか乗り越えたくて批判哲学の構想を練ってきた」みたいなことを名指しで入れてたし、

最近では、ポスト構造主義なんていわれるジル・ドゥルーズが、実はめちゃくちゃヒュームを意識してた。

ドイツやフランスにまで、、、しかも現代哲学と呼ばれる領域にまで影響を及ぼし、かつ、

多くの人が「なんとかヒュームをやっつけたい!」と試みてきたのに、どうにもうまくいかないとは、、、まこと、おそるべし哲学モンスターだw

まあ、実のところ、私自身、「英米哲学講義」なるものを聴講して、いちばんヨカッタと思えたことは、

このヒュームという人のことを知ることができた点でした。地味なので入門者が少ないのですが、一度ひっかかればめちゃくちゃ面白いし、

そして、なるほど、オドロくべきことに、現代SFのテーマの中にも、どこかで(作者は意図していなくとも)「ヒューム哲学っぽいテーマ」だなあと思えてしまうようなテーマが、たびたび見受けられたりするのです。

ただし、最後に、

とてつもなく失礼なことを言うようですが、

ごめんなさい、本当にごめんなさい、と前もって謝っておいた上で、私の素直な感想を言いますが、

ヒュームを含めて、イギリス系の哲学者の著書っていうのは、どうにも、読んでも退屈でしんどいものが多いw(まあ「読んでいて面白い」哲学者というのも、それはそれで、盲信者やカルト的ファンを産んでややこしい政治問題になることがあるので、「いかにも壮大なハナシが最初から最後まで続いていて面白い哲学者」が良い哲学者とも、安直には言えないけど、、、ねえ、ニーチェさんにハイデガーさん、、、)。

そういうわけなので、私も結局はそうしたのですが、イギリスの特に経験論な方々については、無理に著作に1ページ1ページ付き合おうとして挫折するより、最初からいわゆる入門書や解説書を買ってそちらを読んだほうがよい、とか、思っちゃったりもしています。はい、今の箇所はもちろん、反論異論ありと覚悟の上、、、。

ただ私自身は、いずれもし時間があれば、ヒュームの主著などにどっしり向き合ってみたいし、「現代SFとヒューム哲学の意外な関係」みたいなことを深掘りしてみたいなあ、などとも、思うのでした。まあ、簡単なテーマではありませんが、、、。


▼本記事は以下の続きの記事となっております▼


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