バカとシニカルのあいだに生きること
綿野恵太さんの『みんな政治でバカになる』、たいへんスリリングな本だった!
この、見る人を「一瞬イラッとさせて本屋で手に取らせる作戦みえみえ」のタイトルのせいで、損している。こういうのは、たぶん出版社がつけた題名なんだろうけど。
内容は凄く真摯で真面目な現代分析!
特にドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」の大審問官のエピソードをキーワードとしてリフレインしながら、「自由と監視」の問題を考えていくパートは感動的ですらありました。
もう何回か繰り返し読み、咀嚼したい本。
今日、一度読んでの、とりあえずの結論としては、
こんな複雑な世界では一人で考えられること、理解できていることは微少、みんなバカであるしかない、
しかし、シニカルなままでもしょうがない、
ので、バカとシニカルのあいだくらいの生き方を見つけたい、
という提言に共感。
バカであるよりはドヂになりたいというメッセージも含蓄が深く、いろいろ、読後に考えさせられました。
これを読んで「どんなに勉強してもバカにしかなれない現代人の一人」である私は、さて、どう生きるか。
バカはバカなりにも民主主義の国に生きてしまっている以上、その答えを探さなくちゃいけん。
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