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北欧デザイナーによる茶道具展の準備 SKÅL8

※この記事は、2018年に開催された文化イベントについて紹介しています。SKÅL/スコールとは、スウェーデン語で「乾杯」と「器」という意味があります。

SKÅLプロジェクトの展示品は、波佐見焼の抹茶茶碗、美濃和紙の懐紙、そして京都の扇子屋さんと作った扇子でした。日本のモノづくりのコラボレーションがうまく進んで、どれもとても良い感じに仕上がり、みんな大満足でしたが、展示の方法については少し不安がありました。それは、作品が小ぶりで少し地味なので、デザイナーたちが最初にデザインした、北欧の自然や暮らしから生まれた元原画のイメージが十分伝わらないのではないか、ということでした。

過去の3回の展覧会では、手ぬぐいや刺し子生地など、展示品に必ずテキスタイルがあり、メイン会場であるスウェーデン大使館の吹き抜けの天井から吊るして展示をしていました。今回の展示品には生地が含まれていませんが、生地が少しあるだけで、空間に奥行きと柔らかさが出せると思い、今回も2柄だけ生地を作ることにしました。

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生地制作に関しては、早稲田国際ビジネスカレッジとのご縁があり、テキスタイル学科の学生さんたちと産学連携で進めることにしました。学生さんたちには、デザイン原画だけではなく、背景となったインスピレーションの写真や文章もお渡しして、個々のデザイナーの気持ちをできるだけ感じてほしいと思いました。学生さんたちはとても熱心に取り組み、このデザインをこういう手法でやってみたい、という積極的な提案をいただきました。

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スウェーデンの群島をイメージしたアーキペラゴというデザインは、透かし模様をつけるためのオパール加工を加えて、透明感のある海のイメージを表現してみよう、ということに決まりました。

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今回は、写真やテキストの紹介も、通常の紙のパネルではなく、透け感のある生地にプリントして展示することになりました。生地パネルは、京都の染め屋さんのご協力によって実現することができました。

生地パネルには、デザイナーたちの元原画を大きく見せたいと思いましたが、試作の生地を刷ってみると、色はとてもきれいなのに、生地が薄いだけにどうしても歪みが生じてしまいました。染め屋さんからは、生地を厚くすることも提案されましたが、展示作品を引き立てるには、柔らかな生地感の方が良いと思いましたので、透け感のある薄い生地で進めることにしました。インスピレーション写真やデザイナーのプロフィールとデザインを印刷したふんわりとした生地は、なかなかいい感じに仕上がったのではないかと思います。

By S

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