ところで、愛ってなんですか? [第4回]
日曜日は、空が明るくなり始めたらBARを開けることにしている。朝はいい。姿の見えない鳥が鳴いていたり、昨日の続きを酔っている人がいたりする。人と世界、人と人との距離が、少しだけ離れている感じ。魂もまた、躰からちょっと遠くに行ってしまっているみたいだ。そんなとき、猫も人間も伸びをする。遊離した魂を元の場所に詰め直すみたいな静かな作業だ。
薄いひかりが積もったカウンターを眺めていると、からんとベルを鳴らしながら扉が開いた。濃紺のスーツの女性が淡い太陽を背に短く会釈をする。真新し