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【ショートエッセイ】芸術家は幸せいっぱいの生い立ちじゃないほうがいいのだろうか?

美容室で『婦人画報』を読んできた母が、「画家の草間弥生さんって統合失調症で、入院しながら絵を描いているんだって」と報告してくれました。

苦しみから逃れるために点々を描いている……ということは知っていましたが、まさか統合失調症だとは。

Wikipediaにも書いてありました。
個展を開いたら、来場して作品に感銘を受けた精神科医がいて、たぶんその方が診断したようですね。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%89%E9%96%93%E5%BD%8C%E7%94%9F

たまたま読み始めたこちらの本にも、芸術家たちの壮絶な生い立ちがたくさん書かれていて、「うわああ……。」と言葉を失いました。

「愛着障害と複雑性PTSD 生きづらさと心の傷をのりこえる」岡田尊司 SB新書
(記事執筆時点で、楽天ブックスの「美容・暮らし・健康・料理」部門ランキング7位)

岡本太郎、マリリン・モンロー、オノ・ヨーコ、サリンジャーといった、誰もが知る世界的著名人たちの、目に見えない傷まみれであろう症例が出てきます。

サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』は、戦争中に大激戦の最前線で戦っていたとき、時間があれば小型のタイプライターで執筆していたものだそうです。

この作品は、TVアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の作中で、重要な小道具として出てくるのです。
執筆の背景を知ったら、またニュアンスが違ってきますね……!

よく「芸術家は幸せいっぱいだとよくない」みたいな話を聞きます。
私は今まで、「欲求不満を芸術で昇華させるのがクリエイターなのか?」と思ってきました。

ちょっと壮絶すぎる実例にいくつも触れたので。
「欲求不満を芸術で昇華させるのがクリエイター」は本当にある。
でも、「幸せいっぱいだとよくない」は何とも言えない。
って考えになりました。

目の前に幸せがあるのに、自分の意思で幸せになる・幸せを感じるのを禁じていたら、そりゃー辛すぎるんじゃないか。

ああ、でも、「幸せになったら作品を描けなくなった」みたいな話も入ってくるので、何とも難しいところですね……。
宝くじで大金が当たったとか、持病が治ったとか。

うーん、誰しも大小様々な十字架を背負って生きているものだと思っていますが。

芸術家は、とびきり難しい十字架を背負い、イバラの冠を被って、イバラの道を歩み続けて生きているのかもしれません。

理解して、サポートしてあげたいものです。


・記事を書き終えて

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