そしてやっと、夫は無職になる
夫が会社を辞めました。
今の感情は「安堵する」「恩を感じる」「すっきりした」「あるがままを受け入れる」。
そう思えるようになるまで、20年かかりました。
夫が無職になったのは、結婚してから二度目。結婚して一年ほど経ったときにもありました。
夫が勤めていた会社が潰れて「少しゆっくりしたい」と言われたとき、わたしの心の中で黒い声が呟きました。
ふり返るとわたしたちは、共に頑張る・共にいるというスローガンの元、自分が頑張るから相手にも頑張れ。相手も頑張っているから自分も頑張るという執拗な応援を繰り返していました。
当時「靴を作る仕事がしたい」と夫が言ったときも、
「好きなようにしたらいいよ」と言えども、それは後で夢を実現できなかったことをわたしの責任にしてほしくないからだけであって、心の底から言った言葉ではありませんでした。
夫は靴職人の仕事を見学に行き、給与や休日などの現実を知って諦め、今の会社に入社しました。
そのときわたしは、ホッとしたんです。
入社した会社は一部上場企業。給与が多いわけではないものの安定していて保証もある。休みも多くありました。
その代わり平日は毎日遅くまで仕事をして、会社の駒として雑に扱われて、それでも家族のため購入した家のローンのために必死に働くうちに、彼の身体に不調がでました。
何件も病院を回っていた時期もあったし、鬱症状もありました。
胃腸の薬は約20年飲み続け、身体の痛みを和らげるために毎週整体に通いながら勤めていました。
わたしはNVCと出会ったことをきっかけにここ4~5年で、少しずつ頑張っていたものから解放されて緩んでいました。
自分が緩むことができて、夫が頑張っていたことにやっと気づくことができました。
自分が頑張っているときには、頑張ることが当たり前で気づくこともできなかったし、気づいていないから労わることもできなかった。
NVCでは他者承認や他者共感よりも、自分を満たすこと(自己共感)が先って言われているけれど、本当にそうだなって思います。
ここ半年で対話的な会話が夫婦で出来るようになって、
本当は会社を辞めたい…と夫が気づきだしてから→辞めるを決断するまでの間には大変な出来事が起きて、英断、ハッピーエンドというわけではありませんでした。
決断をせざるを得ない状況になったとき悲しみや恨みや残念さでいっぱいになりつつも、その感情を嘆ききったとき、気づいたんです。
「あ…これはあのときのやり直しなんだ」って。
「どんな答えを出してもいいよ。だけど、まぁこれでいいかではなく、これがいいという答えをできたら選んでほしいと思ってる。家のローンが払えなければ手放せばいいよ。一番大事なのは、あなたが元気でいてくれることだから」と、夫に伝えました。
以前のわたしは、感情が揺れる出来事が起きたとき、同じパターンを繰り返していることに気づくことさえできなかったし、気づけたとしても「また~、もう本当にイヤ」と相手や状況のせいにしていました。
だけど今、感情を味わい、本当に進みたい方向やほしいものをキャッチすることができるようになり、パターンは新たな扉を開けるチャンスなんだって思えています。
明日からふたりで人生の夏休みを過ごします。
わたしたちのチャレンジは、自分に優しく正直に生きること。
そのためにまずは、行きたい場所へ。
会いたい人に会いに行きます。
行ってきまーす!
旅行中の様子はInstagram投稿や、ストーリーズでシェアしていけたらと思っています。
https://www.instagram.com/healing_sayo/