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言葉の語尾 ”無意識”

私は、カウンセラーとして会社の顧問になり

スタッフとの関わりについてや
離職率低下のために

スタッフ自身の悩みに対してお話をお聴きしたり
問題があるスタッフの相談に乗ること
(カウンセリングをする)があります。

顧問先から、カウンセリングのご依頼が入るのは、 

社内の心理学セミナーなどで、私の事を知っていて
本人から連絡が入るパターンもありますが

直属の上司からの場合が多く
上司からご連絡を頂いたら

まずは、カウンセリング依頼までの経緯や、
職場での今の状態や、スタッフの相談に関して
お話をお聴きしてカウンセリングの日を迎えます。


先日、顧問先の上司から
カウンセリングの依頼に関する連絡が入り、
私自身が大変勉強になったことがありました。


上司(Aさん)から、お電話で
カウンセリングの依頼があり

部下(Bさん)がどんな状況で悩んでいるか、
お聴きしていた時のことです。

Aさんは、時系列で
Bさんの体調不良のことや社内での問題を
話してくださいました。

お話を聴きながらメモを取っている時に
私は、あることに気づきました。

「Bさんが、今年、うちの職場に入ってくれて・・・」

「○○という理由で来てくれて・・・」

「〇〇もできるようになってくれて・・・」

と、Aさんが、私に伝えてくれる
ご報告やご相談の

言葉の語尾に「〇〇してくれて・・」という
言葉がつくのです。


「~です」「~ます」という
ただの報告の言葉ではなく

Aさんは、「~してくれて」という話し方なのです。

最初は、偶然かと思って
聴いていたのですが

聴いているうちに、
こちらが、温かい気持ちになってきました。

Aさんの言葉から、
Bさんに対する愛情と感謝の気持ちが
ひしひしと伝わってくるのです。

Aさんが「〇〇してくれて・・・」と
報告してくれているのは、

Aさんの“無意識”だと思います。

その無意識に話してくれるAさんの言葉の語尾を聴いていて 

感じることがありました。

きっと、Aさんは普段から、
職場内で部下に対してや後輩の前でも、
(意識しなくても)
こういう話し方をしてくれているんだと思うのです。

ただの状況説明なのに、 
Bさんを想う愛情をとても感じました。

そして、Aさんが、
さらに、Bさんのお母様の話をされた時に

(Bさんの体調が心配でAさんは親御さんとも
連絡を取り合っていたので)

「Bさんのお母様も精神的に弱い方のようで、
Bさんと同じようなタイプで
ズバズバ言えるようなお母様ではなくて・・・」と、

説明してくれたあとに、
Aさんの言葉が続くのですが・・・

普段、私がいろいろな上司の方と話していると

このような精神的に弱い可能性がある
お母様だった場合の感想(報告)として、

「ちょっと、お母さんも大変そうなお母さんです」
「神経質なお母さんです」
「お母さんも精神的に弱い方だと解りました」など、

通常は、お母さんに対して感じたことや、
マイナス表現で、感想を言われることが多いと思っています。

その報告が「悪い」ということではなく、 
上司が親御さんと連絡を取った時の感じたことを

上司のフィルターを通して「情報」として、
(表現方法は「事実」ではないかもしれませんが)
感じたことを、カウンセラーである私に
伝えて下さるわけです。

しかし、この上司Aさんは、
今までのパターンとは違い、、、

どんなふうにお伝えくださったかというと・・・

「Bさんのお母様も精神的に弱い方のようで、
Bさんと同じようなタイプで

ズバズバ言えるようなお母様ではなくて・・・
そういう優しい感じのお母様です」と、

私に報告されたのです。

繊細で、神経が細いお母様のこと
を、「優しい感じのお母様だ」

表現されるなんて、脱帽でした。

本当に、素晴らしい!と思いました。

この上司Aさんの優しい愛情は、

お母様にも、Bさん本人にも
きっと伝わっていると強く想いました。

そして、この職場は、見に行かなくても、
きっと愛情に溢れている「場」になっているだろうと強く想いました。

選択する言葉や表現方法は、
その方の“生き様”が出ると思います。

今回のAさんに関しては、言葉の語尾や、 
発する言葉についてですが

新人社員をはじめ、職場で働く人達は、 
疲れてきたり、ストレスがたまると、
“感じる力”が強くなり、

普段なら気にならない相手の少しの言動でも
過敏に反応することがあります。

感じる力が強くなります。

そんなときに、
今の上司・Aさんのように、
発する言葉や、言葉の語尾に気をつけて頂いたり、

この言葉を相手に届けると、
相手がどんな風に感じるだろうか?ということまで、気持ちを持ってほしいと思うのです。

今、マスクをつけてのお仕事で、
なかなかお互いの表情が見えないので

特に、「笑顔」が伝わりにくい現状があります。

私たちは言葉から
感じ取れることは7%しかありません。
残りの93%は、非言語(表情や雰囲気、なんとなく感じるモノです)

だからこそ、非言語に神経を研ぎ澄ませ、
マスクをしているからこそ、

声を普段よりも明るく、暗い声を出さず、

笑顔は、いつもの3倍を意識し、目が笑うように。

無意識に発する、自分の言葉に耳を傾け意識をし、
普段の自分の部下へのコミュニケーションを、
是非、今一度、見直して頂きたいと思います。

上司Aさんのように

愛のあるポジティブなエネルギーが
溢れる環境の中では

必ず、素晴らしい人財が育つと信じています。

勉強になりました。

このような素晴らしい上司と共に
サポートできることを幸せに思います。

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