「知っていること」と「わかっていること」は違う
「50円玉を知っていますか?」
今から「50円玉について
知っていることを書いてください」
普段、使っている”お金”
そのお金の中でも使う機会が
少ないような気がする50年玉。
50円玉のことを
どこまでご存知でしょうか?
50円玉を使う機会が
少ないといっても、
今までにおそらく100回以上は
触れていると思います。
○50年玉について
正式名称、五十円硬貨(ごじゅうえんこうか)は、
日本政府発行の貨幣です。
現在製造発行されている
五十円硬貨は白銅性(はくどうせい)で
中央に穴が空いている。
最初に製造されたころは、
穴が開いてなく100円硬貨と
よく間違われたため、穴を開けた。
表面には「日本国」と「五十円」
及び菊の図案。
裏面には「50」と
製造年がデザインされている。
法律上の表裏はない実際は無く、
どちらも表で裏である。
1967年(昭和42年)に
現在の五十円白銅貨発行開始。
穴あり、ギザ付き。直径 21mm
普段何気なく使っている、
50円玉はこういうものなのです。
知っていましたか?
もちろん、ここで、
50円玉の知識をつけて
欲しかったのではありません。
気づいてほしいことがあるのです。
50円玉は「知っている」けれど
「わかっていなかった」ことに
気づいたのではないでしょうか?
人間関係も同じです。
自社で働いている社員
それぞれのパーソナリティーを
どこまでご存知でしょうか?
・社員の名前、正確に書けますか?
・年齢は?
・入社して何年目か?
・お誕生日は?
・血液型は?
・家族構成は?
・趣味は?
・一番大切にしていることは?
・休みの日には何をしているのか?
・今までどんなことに感動してきたのか?
・今までどんなことに夢中になってきたのか?
・どんな挫折や苦い経験を積んできたのか?など
こういうことを知っていて
「本人の価値観が出来上がっている」
「パーソナリティーをわかっている」
ということを理解していることが
重要だと思うのです。
職場で働いている周りの人が
お互いに景色のように
なっていないだろうか?
1日の中の8時間以上を
一緒にいる隣の社員のことを
本当に理解しているでしょうか?
先日も、ある会社のマネージャーから
「スタッフと二人で一緒に夕飯を
食べに行っても本音を話してくれない・・・」
と相談がありました。
それは、信頼関係ができていないから
話さないのではないか?と思います。
社内で仕事をしている間に、
その上司がどんな人間なのかを、
しっかり、部下は見ています。
例えば、接客業の中で
「お客様のライフスタイルを知る」
「カウンセリング技術をあげる」ように教育したり、
「お客様のニーズを知る」
そして「提案をすること」を
教育していると思うのですが
お客様のライフスタイルを知ることを
部下にして欲しいと思うならば
その人自身が自分のライフスタイルを
「語った経験」が必要だと思うのです。
自分のライフスタイルというものが
どういうもので、
それを人に語るときに
どんなふうに話すんだろう?
どういう質問をされたら
相手は話しやすいのかな?
相手の立場に立って
考えることをしていない人は、
いつまでたっても
相手の気持ちや思考を考えた
質問ができないと思うのです。
今、社会に入ってきた
新世代は、特に、人間関係構築や
コミュニケーション・人との関わりを
あまり持たないまま
社会に出てきている人が増えています。
プライバシーの問題が、
学校現場でも騒がれるようになり
クラス名簿が学校から消え
自然にお互いの家庭環境を知ることが
できなくなりました。
・兄弟はいるのか?
・お家はお商売をやっているのか?
・どこに住んでいるのか?
・親御さんは会社員か?
昔はクラス名簿に書かれてました。
自然と情報を知ることができたのです。
今は、お互いが、どのような家族構成で
どのような生活を送っているのか
プライベートに介入しない。
相手のプライベートを
感じたり観たりしないで
大人になっています。
「感じないように観ないように」して
大人になっていると言っても
いいと思います。
だから、新世代は顕著に
「相手のプライベートには踏み込まず」
「相手との距離感を取り」
「相手のことを知らない」
知らなくて、わからないからこそ
「みんなと同じ」が わかったら
安心するのです。
相手が、自分のことに興味を持って、
自分の話を聴いてくれたら、
大事にされているということがわかり、
興味をもたれていることを
感じると思うのです。
もらうためには、
与えることが重要です。
与えなければ、もらえない。
まず社内で「与えあう関係」を
職場の仲間同士で行うことで、
お客様へ与えるようになり
お客様に与えるから
自分も「もらえる」ようになります。
もらえば、感動するので、
その感動を教えてくれた
先輩を尊敬するようになります。
そこでの尊敬の念によって、この会社で、
「この人のために頑張りたい」
「この人に認められたい」
「この人から学びたい」という
ロールモデル・人物像が
できあがると思います。
社内の人間関係がよく
安心できる環境があるという
土台・風土があるうえで
自分に感動を与えてくださる
お客様へ更なる感動を
与えるためにはどうしたらいいのか?
ここで自分自身で
初めて、考え始めるのです。
ここで初めて、察する力、
気づく力が生まれてきます。
ここで初めて、今まで見ていた景色と、
自分がいた景色が変わることに
気づくと思うのです。
ここまでくると、
安心できる空気感と
素晴らしい会社創りは、
できていると思います。
そのために必要な、
私たち教育者・受け入れる側の体制としては、
社員、一人一人を
景色のように見てはいけない。
毎日、社員が出勤してくるのが
当たり前ではなく、
病気もケガも事故もなく
全員が集まれることに感謝する。
そして、このスタッフ
一人一人に歴史があり
ただ、ただ、偶然に
この会社で働いているわけではない。
今、働いている社員と
これから出会える仲間との縁に
感動し、感謝することは大切です。
そして、社員も、
この会社に入社するまでに、
この出会いご縁を作ってくださるために、
会社が「求人」に
どれだけの労力を使ってくれているのか?
また、ここから、どれだけの労力を使うのか?
すべては、今、この環境を
自分に与えられていることに対しての
感謝の気持ちを持つ
感謝の気持ちを持ち続ける
環境を創っていくことが大切だと思います。
離職率を下げることは、
コミュニケーションの改善から始まります。
コミュニケーション改善で
もっとも重要なことは、
相手を「知る」⇒「わかる」ということです。
「社員を知る」
「社員の価値観を理解する」
「仲間を認める」を
実践してみてほしいと思います。
そこで、コミュニケーションが必ず生まれます。
人は、自分自身を知ってもらうこと、
わかってもらうこと
認めてもらうことを欲しています。
教育者であるなら
そのことに気づき
その力を磨いてほしいと思います。