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役割が名前になる日本


心理学セミナーを開催する際
私のセミナーには
グランドルールがある。

受講してくださった方は
よくご存知のことだが

受講される方が学校の教職員でも
福祉関係者、一般企業の方でも
名札をつけてもらっている。

名札にはルールがあり
苗字・漢字・本名はNGで
ニックネームや名前であることがルール。

そしてセミナー受講中は
その名前で呼ぶことがグランドルール。

セミナーの最初は
上司と部下の関係、
先輩後輩の関係の中で

先輩のことを
「タカシ」って呼んだり
「ゆみ」って呼び捨てにすることに
抵抗があるけれど

セミナーが始まっていくと
その呼び方に慣れてきて
親近感が湧いたり心の距離が縮まったり

おもしろいニックネームをつけて
なぜ、その名前をつけたか?
話題にするだけで、

その人を知る糸口になったり
会話のキッカケになったり。

セミナーで初対面同士でも
すぐに打ち解けられたり…と

セミナー会場の外で
呼ばれている名前ではなく

「呼ばれたい名前を名札につける」

その効果は計り知れない
と、講師として思っている。

どうしてなのだろか?

私は、心理カウンセラーとして
カウンセリングルームで
クライエントさんと向かい合っていると

自分の「役割」や「肩書」
社会の中での自分の「立ち位置」に

すごくプレッシャーを感じたり
疲弊している人が少なくないと感じてる。

※ 経営者は、経営者である自分を
全うするために

いつからか自分の周りには
本音で意見をしてくれる人がいなくなり

弱い自分や悩む自分を見せれず
「社長」という仮面や鎧をつけ

◯◯社長と呼ばれる自分を
苦しく思っていたり…。

※ PTAの講演だったりすると
受講生は「お母さん」の役割の方が多い。

普段は「ママ」「お母さん」と呼ばれ
ご主人からも「ママ」「お母さん」と
呼ばれるようになっている家庭も多い。

そして、世間でも
子どもと一緒にいれば
「お母さんもどうぞ」とか
「〇〇ちゃんのママ」とか。

ママでいることや
お母さんでいる自分が
本来の自分以上に心を占めていく。

それは大切なことではあるけれど
自分自身に返る時間も大切。

※ 美容師さんたちも
「〇〇店の美容師さんである自分」
「店長である自分」
「社長である自分」
という“肩書”を背負い、がんばっていく。

良い状態の時や、
そのポジョンが夢でその夢が叶った時は、
その立場になれた自分を誇らしく思うけれど、

ストレスを感じたり
苦しい環境になったり
うまくいかなかったりすると

立場・役割・肩書に
押しつぶされそうになる。

その自分を脱ぎ捨てたり外す時間がないと、
ずーっと自分の上に
「役割」という服を着ていることが
重くて苦しくなることがあると思う。

特に
日本人は役割が名前になる
日本語は立場が名前になる

ような気がしてならない。

さらに、役割を表す
「制服」のあるような
お仕事をしている方は 

過大な重圧によるストレス度合いが
高いように感じる。

海外(英語圏)では
PeterはPeterで

子どもの時からPeterと呼ばれ
職場でもPeterと呼ばれる。

女性であればNancyは
友達の間でもNancyで

お母さんになっても
子どものお母さんから
〇〇ちゃんのママではなくNancyと呼ばれる。

夫からもママとは呼ばれず
Nancyと呼ばれている。


役割が名前にはならない。

個人のままでいられる。

この英語圏との違いは、
「日本人」の「日本語」の特性のような
気がしてならない。

呼ばれ方(名前)が役割だから

自分に対して
・立派な上司でなければならない
・家事を立派にするママでいなくてはならない
・良き嫁でいなければならない

「こうでなければならない」の
気持ちが強くなるように思う。

それらの役割や立場に
疲れている自分にすら
気づかないことも少なくない。

だから、私のセミナーで
その役割を脱ぎ捨てて

個人の自分に戻り
自分自身でいることが

こんなに楽でストレスから解放されることを
体感してほしいと思っている。

普段の生活の中で
知らず知らずに
自分の役割に疲れていた人は

この名札の効果を通して
大きなことに気づく。

その体感を経験を通して
自分の役割を外すことを知り

現実社会、現実の中でも時々
自分自身に戻ることで楽になってほしいと思う。

セミナーに参加する前、
会場に入った時よりも
帰るときに元気になっている。

なんとなくだけど、
元気になっている。

それは、役割を外したからかもしれない。

皆さんの笑顔を見ていて
背負っているものを少しの時間でも
降ろしてほしいと思っている。

セミナー講師であると同時に
心理カウンセラーである私は

カウンセリングルームにお越しになる
クライエントさんが
悩みや苦しみという背負っているものを
降ろしてくださるのと同じように

セミナーで明日からの
エネルギーを充電して欲しいと思っている。








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